芸大生(男性)
彼の絵を見た人は「ねっとり」とか「べっとり」とかという言葉をあてるらしい。彼はそれをわりあい気にしているようだった。
そのミッキーは、見たことあるような見たことないミッキーだった。いわゆる「へたうま」とよばれる「反イラスト」系のにおいがするミッキー。
1985年の池袋西武で行われた大展覧会「イラストレーション・ピクニック」のコピーは
「誰でも描ける。誰にも描けない。」
だった。マーチン荻沢氏のイラストレーションのうえに載せられた言葉だったはずだ。
そういう言葉がぴたりと合うミッキー。これが結果として1985年風のイラストレーションとなったのだ。
「ねっとり」したミッキーの懐かしさの原因は、そういう理由だったのだ。