「物見遊山 出会いのカタチ」は、「博物館の活性化」という東京大学総合博物館小石川分館(以下、小石川分館)からTo.co への依頼がテーマの展覧会です。
東京大学総合研究博物館小石川分館 小石川分館は1969年に東大本郷校地より小石川植物園内へ移築され2001年に開館した歴史建造物です。東京大学現存最古の学校建築で、赤門とともに国の重要文化財にも指定されています。
その活動は学術研究領域内において、コレクションと独自の展示方法、最新のデジタルミュージアムの先駆例として、高い評価を得ています。
博物館の基本である社会教育を目的とし、国立では唯一入場無料開放も行っています。しかし、開館して日も浅く、地域・周辺住民に内実を知られていないため、一定のリピート来館者はないに等しいのが現状です。
タイトルにある「物見遊山」は古来よりあちこちと見物して回ることや、見物して遊びまわることを表す言葉です。
まずは、物を愛でる心や好奇心のあらわれである物見遊山のこころもちで、博物館マニアの方にも、いままで博物館とは縁の無い生活を送ってきた方にも、気軽に関わっていただけるような活動からはじめます。
そこで、To.co は小石川分館の活性化をすべく、下記4点の方法を中心に事業展開をします。
膨大な歴史と資料集積の殿堂である博物館に美術や他のコンテクストを取り入れて博物館を読みかえる常套手段の転用や自己言及的態度を破棄し、博物館という装置が存在する事実を前提とした生産的なアプローチをおこないます。小石川周辺地域への積極的かつ直接的な営業活動を皮切りに小石川分館外部からの依頼を内部へ持ちこむこと、すなわちデコボコレーションをすることで活性化を図り、改めて内と外をつなぐことで小石川分館内外、周辺地域一帯も含めた人の往来、交通量を増やすことを目指します。会期中、博物館はTo.co の会社として機能し、そこから生まれてくる制作物が標本群とともに併置されます。
長期間のプランでまた、To.co は小石川分館の活性化を今回の展覧会だけでなく、長期の展望と持続的な活動をもって行います。To.co が自己生成するように小石川分館も同時代の人の往来があってこそ生成していく有機的なものであると考えているからです。