今秋10月初めに始まる百二十周年記念事業の準備が目下進行中です。安田講堂には明治期に使用された膨大な学術標本が群れ集い、「学問の過去」を想起させるクラシックな博物館空間が現出します。展示品の量では、総合研究博物館で構成される「学問の現在」も負けてはいません。ここでは海外に広がる研究のネットワークが示されます。大学という、およそ非=美的な空間に人間的で美しいフォルムを復活させることなくして「学問の未来」はない。この主張が洗練されたイタリア未来派感覚の環境彫刻やグラフィック・デザインを通して提示されます。
Ouroboros 第4号
東京大学総合研究博物館ニュース
発行日:平成9年5月12日
編者:西秋良宏/発行者:林 良博/デザイン:坂村 健