博物館の仕事として、教育・研究に加え、展示がありますが、それを通して学内外の方々に大学の活動を理解していただくことが、近年ますます重要になってきているように思います。それと関連して、展示が1つの芸術作品ではないかと思うようになりました。展示する対象物をみていただくために、いかに多くの努力が重ねられているのか、関係の方々の苦労とその熱意には頭が下がる思いです。
本来は、抱負を語るべきところなのでしょうが、いまだ学習中のため、気づいたことだけを述べさせていただきます。それは、国立大学に対して様々な改革案が出されているいま、博物館の役割も従来以上にその役割を強化・拡大していくことが求められているのではないか、ということです。教育・研究・展示という基本的な活動は変わらないのですが、これらの活動を一層活性化すると同時に、さらにプラス・αのものが何かあるのではないかということです。大学の教育・研究活動を踏まえ、それを大学の外部に伝える活動が何かあるのではないかということです。具体案はまだ思いつきませんが、そのような方向性だけは打ち出していきたいと思っています
博物館の活動のために、関係する方々のご支援をお願いする次第です。
(本館館長/大学院法学政治学研究科教授)
Ouroboros 第14号
東京大学総合研究博物館ニュース
発行日:平成13年7月13日
編集人:西秋良宏/発行人:高橋 進/発行所:東京大学総合研究博物館