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人類学教室原番号

本報告では新たに標本番号を付さず人類学教室原番号を標本IDとして使用した。人類学教室原番号は大正末期~昭和初期に作成されたとされる遺物カード(7.5×12.5 cm)に対応している標本番号で、1~8480番(1~4桁)までがある。さらに、10000番台以降の5桁の番号は、それまでに「人類学教室原番号」が付けられていなかった遺物に付与されたもので、1968年以後に赤澤威らによって大判の遺物カード(12.5×20.5 cm)が作成された時に付与された。


本報告図番号

本報告における図版番号。2015年時点での遺物の現状の写真を撮影した。


『石器 中山』図

『石器 中山』に図が掲載されている標本に「○」と記入した。


標本名

本報告では調査現時点で、中山遺跡出土と判断される遺物のみを報告しており、「中山」と記入した。標本カード等には所在地不明等と記載されている標本も含んでいる。


採集地

「人類学教室原番号カード」「A番号カード」「大判カード」、遺物表面の注記内容及び、付属したラベル等の情報に基づいて、採集地と思われる地名を記載した。なお、現在の地名に改めず、採集当時に近い地名で表記している。採集地に関する情報がない場合には空欄とした。


A番号

Aの後に4桁以下の数字が入る標本番号。A1~A3700番台までは、1965~69年に作られた遺物カード(7.5×12.5 cm)に対応している。1968年以後に赤澤威らによって大判の遺物カード(12.5×20.5 cm)が作成された時に、継続してA番号が付与された。


器種(標本カード)

基本的に「人類学教室原番号カード」「A番号カード」「大判カード」に記載されている遺物名を採用した。すなわち、「石器」「土器」に大別し、それぞれの器種名を特定できるものは「石匙」「石鏃」「深鉢」「壷」等の細分類名を記載した。八幡一郎の「大形石器」に相当すると考えられる遺物については、中村ほか(2008)に準じ「大形尖頭器」としている。


器種(上條)

上條が分類し、上記「器種(遺物カード)」の記載と異なった場合に記入した。


時期

土器・土製品については現在の土器研究に従って上條が判別した。基本的に「大洞BC」「大洞B2」などの土器型式を記入した。


法量

土器については器高(非完形品は現高)・最大径(または最大幅)を、土偶については長さ(高さ)・幅・厚さを、石器については長さ・幅・厚さ・重さを記入した。計測値は中村ほか(2008)掲載時のものである。


石材

石器標本については、用いられている石材名を記載した。中村(中村ほか2008)が肉眼観察によって分類し、東北地方の縄文時代遺跡に多く見られる石材名称を踏襲するよう努めた。なお、「加工セル化石」(人類学教室原番号5079)では空欄とした。


収蔵位置

本報告書出版時点における、遺物を収蔵している棚・平箱の番号。この情報は、永続性がないものの、当面の管理運営の都合上、あえて公開データベースにも搭載することとした。博物館人類先史資料室前の展示ケース、資料室内の移動式標本棚(PD列)、移動式平箱棚(PE列)、木製標本棚(PA列)、土偶標本棚(PI列)、別室の石器標本棚(PJ)がある。行方不明の資料は「missing」と記載した。


来歴

標本の来歴に関すると思われる情報を記入した。「標本付随情報」の欄には遺物に付随する標本札やカード、紙片、貼付された和紙や注記の記載を記した。「理科大學人類學教室」と印字された木札は「人類學教室札」、朱印が押された和紙は「印」、その他の付随紙片に由来する場合は「札」とした。「遺物カード」の欄には、人類学教室原番号旧カードに来歴に関連すると思われる記載がある場合に記入した。いずれの情報もない場合には空欄とした。なお、原文のままを記載するよう配慮したが、一部の略字や旧字は新漢字へと変換している。

2015年1月
上條信彦(弘前大学人文学部)
佐宗亜衣子(東京大学総合研究博物館)

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