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東京大学総合博物館所蔵クモヒトデ類標本について

藤田敏彦

国立科学博物館 動物研究部

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東京大学総合博物館クモヒトデ類コレクション

 今回の調査によって,134点のクモヒトデ類標本が確認された.アルコール標本の中には,ラベルのない標本やラベルを判読するのが不可能な標本も多かったが,可能な限りラベルの情報を読み取り記録した.一部の標本については,査定や写真撮影を行ったが,完全に破損している標本やラベルのない標本については同定をおこなわなかった.標本の多くは松本彦七郎(1887-1975)が収集,研究した標本であり,タイプ標本を中心として,日本産のクモヒトデ類研究において,非常に価値の高いコレクションである.

 以下に,それぞれの種ごとに,本調査で新たに与えた標本の登録番号、産地等のラベル情報、ラベルに記載された学名を列挙する.科名についてはSmith et al. (1995)で採用されている現在広く用いられている名称を使用しているが,その配列は基本的にMatsumoto (1917)に掲載されている順に従うこととした.松本彦七郎が研究した標本には標本番号は付されておらず,また産地の違う同一種が同じ標本ビンに混ぜられている場合も多かったため断定するのは難しいが,Matsumoto (1917)で使用された可能性がある標本については,論文中の該当するページを示した.これらのうち,ラベルにTypeと記されていることやその他の情報からタイプ標本であると考えられる標本,産地情報が一致するなどの理由からMatsumoto (1917)の論文中で研究材料として使われた可能性が極めて高いと考えられる標本は太字で示し,それらの情報を合わせて示した.

 松本彦七郎は8つの論文で39種のクモヒトデを新種として記載しているが,そのうち11種のタイプ標本がコレクションに含まれていた(Table 1).

謝辞

 入村精一氏には原稿に対して貴重なご意見を頂いた.北目子良氏には御尊父である松本彦七郎の写真を提供して頂いた.ここに記して厚くお礼を申し上げる.

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