鉱物部門は「若林標本」と名づけられた世界的な鉱物コレクションを 所有しているほかに、 長年に渡って収集した研究用の鉱物標本を多数所有している。 これらの標本は、研究者の要望に応じて研究用試料として提供されている。 収蔵する全標本数は950種、約2万3000点に上る。 特に、若林標本は三菱鉱業の若林弥一郎博士が収集した182種1932点 (約1000点の未分類の試料を除く) におよぶ日本・朝鮮・中国を中心とした 産地の鉱物コレクションであり、後に東京大学に寄贈されたものである。 アマチュアの個人コレクションとしては世界的で、このコレクションについて 1974年にカタログが作成され東京大学研究総合資料館 (現東京大学総合研究博物館) から出版された。 (定永両一・豊遥秋 : The Wakabayashi Mineral Collection, Bulletin NO.7, The University Museum, The University of Tokyo, 1974)
上の画像は、若林博士に敬意を表して名づけられた群馬県西牧鉱山産の Wakabayashilite の標本である。 画像中に見られる黄色の針状の結晶が Wakabayashilite , (As, Sb) 11S18, である。
また、上の画像は若林標本中の一つである双晶した水晶の標本である。 この双晶は「日本式双晶」として知られており、 山梨県乙女鉱山で産出した大型結晶である。
上の画像は、 太陽系物質進化の初期の情報を有すると考えられている始源的隕石の 炭素質コンドライトの代表格である Allende 隕石である。 1969年にメキシコに落下した隕石であり、 この隕石によって太陽系物質進化の研究は大きく飛躍したともいえる 貴重な隕石である。
Allende 隕石に関する詳細は、デジタルミュージアム
「動く大地とその生物」の
「アレンデ炭素質コンドライト」の項*を参照して下さい。*東京大学総合研究博物館データベースのサイト内に再構築されたものです。(2017年2月 記)
隕石に関する詳細は、
「デジタルミュージアム展示 展示内容」の
「隕石」を参照して下さい。
鉱物名 | W × H × D | 産地 | 備考 |
---|---|---|---|
石英 | 400×600×300 | 山梨県乙女鉱山 | 日本式双晶 |
石英 | 100×100×5 | 山梨県乙女鉱山 | 日本式双晶, 9個 |
石英 | 250×250×600 | 福島県石川町 | 地質調査所所蔵 |
紫水晶 | 200×50×50 | 栃木県日光鉱山 | |
紫水晶 | 200×100×60 | 秋田県荒川鉱山 | |
煙水晶 | 260×200×150 | 岐阜県苗木 | |
黒水晶 | 200×100×100 | 福島県石川 | |
草入り水晶 | 180×100×100 | Wegner Mine, Arkansas USA |
鉱物科学研究所所蔵 |
めのう | 140×50×80 | 石川県小松市赤瀬 | |
玉滴石 | 小球 (多数) | 富山県立山町 | |
石英仮晶 | 250×150×70 | 秋田県荒川鉱山 | |
鱗珪石 | 250×150×10 | 熊本県石神山 | |
クリストバル石 | 220×150×60 | 静岡県伊東市払 |
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