内容

本画像データベースでは原則として、前・後面の二面のカラー画像を提供する。標本番号のほか、付随情報として「出土地の県名・遺跡名」、「標本の説明」、「写真図版番号」、「文献」、「時代」、[備考」の6項目を設けた。

「標本番号」:

当館人類・先史部門、標本・資料として登録されている番号。

「出土地の県名・遺跡名」:

人類学雑誌等に最初に報告されている名称。

「標本説明」:

出版カタログの図版説明文にある 標本タイプ、大きさ、簡単な遺物説明。

標本タイプ:

土偶・岩偶・土製仮面・土版・岩版・動物形土製品(亀形土製品を除外)・亀形土製品・管形土製品・牙形土製品・耳飾・内面渦巻形土製品・スタンプ形土製品・足形土製品・土冠・環形土製品・キノコ形土製品・鐸形土製品・分銅形土製品・円盤形土製品(有孔円盤形土製品を除外)・有孔円盤形土製品・土弾・有孔球形土製品・土錘・粘土塊・同定不能) 注)参照

大きさ:

形式によって「高さ・横幅・径」に大別される。高さ・横幅は現存の長さ。径は直径であるが、破損して直径が計測できない場合には「(径)」として現存する遺物の周に対する弦線の数値を記載。

遺物説明:

土偶、岩偶、動物形土製品などの場合、基本的に身体を頭部、胴部に二大別し、必要に応じて頚部の記載を加えた。胴部は、胴上部、下胴部に区分、さらに、前者は胸部、上肢部、後者は腹部、下肢部に分けた。また、身体の前面を「正面」、後面を「背面」とし、必要に応じて「側面」の記載を加えた。特に頭部の場合は、前面を「顔面」、裏面を「後頭部」とした。また、各部位が縦位に二分され左半・右半部に分かれる場合、各部位の前に「左・右」を付した。

他の形式については、一般的に、「完形・欠損(破損・半欠・破片)」と区別。半欠は残存率が1/2のもの、破損は残存率が1/2を超えるもの、破片は残存率が1/2を下まわるものを示す。また、身体の前面を「正面」、後面を「裏面」とした。

「文献」:

文献リスト における著者名と年号だけを示す。

「図版番号」:

『出版カタログ』における写真図版番号。

「時代」:

遺跡の存続期ではなく、本データベースの対象となる土偶等が帰属する時期。

縄文時代五時期区分(早期・前期・中期・後期・晩期)を用いて記載。

各遺跡における土偶等の帰属時期が、複数に及ぶ場合は、「,」を用いて時期を列挙し、本来は単一時期であるがその時期が特定できない場合は可能性のある時期を「,」を用いて併記。なお、時期が特定できない場合には、「縄文」とのみ記述し、縄文時代以外の可能性を含む場合には記載しない。

注)

標本タイプにおいて、土偶・岩偶・土版・岩版・耳飾・土製仮面・スタンプ形土製品・動物形土製品・亀形土製品・内面渦巻形土製品・鐸形土製品・有孔球形土製品・土弾・円盤形土製品・有孔円盤形土製品・土錘については、今日の研究においてほぼ形式名称およびその内容に対する一般的同意が得られている。本データベースにおいてもこれまでの通説的な理解に従うことし、これらの各形式の内容規定については省く。一方、それら以外の諸形式は、これまで形式名称およびその内容について明確に定義されていない。これらの定説的あるいは仮称的形式にも含まれないものを、本データベースでは記述の便宜を図るために同定不能と総称。以下、本データベースでは、記述の便宜を図るため、暫定的なものとしてこれらの形式名を用いた。

今日明確に定義されていない仮称形式の特徴を以下のように定義。

  • 管形土製品は、長軸に沿って孔を穿った円筒形の土製品。
  • 牙形土製品は、勾玉形の土製品。この両土製品は首飾りなどの装飾品を構成する役目を果たしたと思われる。
  • 足形土製品は、足を模したものであるが、土偶のように五体を所有するものの一部ではなく、足のみで完形をなす土製品。
  • 分銅形土製品は、内部が充填した分銅形の土製品。環形土製品は環状の土製品であるが、耳飾よりも径が大きく断面形も肥厚しており、腕輪 などに用いられたと考えられる。キノコ形土製品は棒状の柄部にかさ状のものが加えられたもの。
  • 粘土塊は、単に粘土を不定形に捏ねたもの。

また、本データベースで有孔円盤形土製品と記載されているものの中には、土製紡錘車も含まれている。

『出版カタログ』:

磯前・赤澤(1996) 「東京大学総合研究博物館所蔵、縄文時代土偶・その他土製品カタログ(増訂版)」、言叢社

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