アフリカの大地を体感せずして、
遥か人類進化に思いを馳せることはできない。
アフリカの大地を体感せずして、
遥か人類進化に思いを馳せることはできない。
サバンナの壮大さは今も圧巻である。
わずか半世紀前、見渡す限りの大型獣の
楽園だったという。
カバはどこでもよくみかける。
ただ、見渡す限りのカバの背中は圧巻であった。
古環境研究によると、現在の広大な草原からなるサバンナは、今から200万年前以後、特に100万年前 ぐらいから広がったという。
良く知られているヌーの大移動である。
サバンナといっても森林や疎開林が モザイク状に混在する。
猿人の時代のサバンナは、
そうした変化にとんだサバンナだったと思われている。
どうすると化石になるのか?
サバンナでは、死は日常の一幕にすぎない。たまたま死体が直ぐに埋没すると、
のちの全身骨格化石になる。
ただし、通常は食肉類が待ち受け、骨をばらばらにしてゆく。
骨破壊には、中でもハイエナが
もっとも威力を発揮する。
草食獣と肉食獣の、その時々、
その場所場所の比率により、
骨の断片化の程度がおおよそ
決まるとの報告がある。
サバンナの死体は、
まずは肉食動物の食物となる。
人類の祖先も250万年前ごろから
積極的にそれに加わっていった。
現在のサバンナの地表は骨だらけである。
骨格はどんどん散逸し、かじられて破断されてゆく。たまたまシマウマの頭が遊離して転がっている。
完全な頭骨化石になるかもしれない。
それは断層運動のため、1500万年前ごろからあちこちが沈降し、全体として堆積環境になっていったからである。
地表に散らばる骨が、そして堆積物に取り込まれ、化石となってゆく。
地殻変動はつづき、何10万、何100万年後に、今度は侵食環境となり、化石が発見されてゆく。
タンザニアのマニヤラ湖、
200万年前ごろの人類祖先の地、
その古環境モデルの一つとされている。
湖畔まで様々な動物たちが行き来し、
草原、森林、水辺と豊かな環境が広がっている。
湖畔にキリンが水をのみにやってきた。
樹上にはサルが陣取っている。
霊長類でも地上にいるのは、我々人類だけではない。
ここではヒヒが何かを掘り起こしている。
それは草の根であった。
こうしたサバンナの地下資源は猿人も利用したと思われている。
サバンナと隣接する森林環境の猿人像。
遠い人類祖先たちもこうした様々な環境を使い分けてきたのである。
より開けたサバンナにおける猿人像。
そうした生きざまを、人類学では実証的に肉付けしてゆく。