御進発供奉御役人付
慶応二年(一八六六)六月
第二次長州征伐の幕府軍の陣容。紀州藩の徳川茂承(もちつぐ)を征長先鋒総督に、三二藩に出動を命じた。「進発」とは、将軍が陣を進める場合に使われる用語。この時、将軍病に臥す家茂に代わって慶喜が大坂まで進発。
図190 御進発供奉御役人付
御進発供奉御役人付
{一段目}
御用御召ニ付
越後長岡 七万四千石ヨ 牧野備前守
越後村上 五万九千石ヨ 内藤豊前守
駿州沼津五万石 水野出羽守
丹波篠山六万石 青山左京大夫
信州飯山二万石 本多伊勢守
若州小浜 十万三千五百石 酒井若狭守
三州西尾六万石 松平主水正
江州膳所六万石 本多主膳正
丹波福チ山三万二千石 朽本近江守
美濃岩村三万石 松平能登守
江州水口 二万五千石 加藤能登守
越前勝山 二万二千七百石 小笠原左衛門佐
{行列絵図}
御旗本御後備二頭御側衆四頭御旗本左右御備四頭御老中四頭御若年寄四頭御中軍二頭御旗本御先備二頭
○御若年寄
奥州泉二万石 本多能登守
{二段目}
○総督
紀州和歌山 五十五万五千石 正三位紀伊中納言様
○御旗本御先備
江州彦根 二十五万石 井伊掃部頭
越後高田十五万石 榊原式部大輔
○御中軍
伊予松山十五万石 松平式部大輔
播州姫路十五万石 酒井河内守
○御旗本左右御備
信州上田 五万三千石 松平伊賀守
丹後田辺 三万五千石 牧野河内守
信州高遠 三万三千石 内藤若狭守
志州鳥羽三万石 稲垣信濃守
○御旗本御後備
日向延岡七万石 内藤備後守
信州松本六万石 松平丹波守
○御供奉御大名衆
越前福井 三十二万石 松平越前守
讃州高松十二万石 松平讃岐守
上総大田喜二万石 松平弾正忠
信州岩村田一万五千石 内藤志摩守
越後与板二万石 井伊兵部少輔
○御老中
備中松山五万石 板倉伊賀守
御役料三万表 小笠原壱岐守
奥州白川 八万四百石 松平周防守
丹後宮ツ七万石 松平伯耆守
○若年寄
濃州苗木 一万二十一石 遠山信濃守
上総飯野二万石 保科弾正忠
奥州下手渡一万石 立花出雲守
勢州長島二万石 増山対馬守
○御側衆
三千石 村松出羽守
五百石 竹本隼人正
五千石 酒井壱岐守
三千十五石 赤松左衛門尉
○講武所御奉行
江州三上 一万二千石 遠藤但馬守
三千石渡辺甲斐守
○陸軍御奉行
五千石 竹中丹後守
二千五百石 溝口伊勢守
○歩兵御奉行
二千二百石 河野伊予守
千七百石 小出播磨守
○大御番頭
六千石 斉藤摂津守
武州金沢 一万二千石 米倉丹後守
○軍艦御奉行
三百表 木下大内記
千百石 石野筑前守
○御書院御番頭
四千二百六十三石 本多日向守
二千石 太田筑前守
千五百石 水野伊勢守
三千二十石 柴田越前守
四千石 八木但馬守
○騎兵頭奉行
五百表 貴志大隅守
六百石 山角礒之助
○大目付
二百石 田沢対馬守
九百石 神保佐渡守
六千石 大久保紀伊守
二千七十五石 駒井相模守
三百表 塚原但馬守
○御小性組御番頭
四千石 井上志摩守
三千石 島津伊予守
五千石 宝賀美作守
五千石 酒井安房守
三千石 松平河内守
○大炮組頭
五百石 成瀬対馬守
八百石 佐久間幡五郎
五百石 高尾惣十郎{三段目}
御勘定奉行
三千五百石 松平対馬守
三百表 井上信濃守
御持小筒組頭
五千石 松平信濃守
三百表 大平鉱次郎
百五十表 大野満一
御旗奉行
五千石 斉藤佐渡守
五百石 山名壱岐守
御鎗奉行
六千二百二十石 花房近江守
二千七百石 仙石播磨守
御作事奉行
二百石 岡松伊予守
新御番頭
千石 中川備中守
三千石 勝田左京
二千石 岡部備後守
九百石 須田久左衛門
歩兵頭
三百表 富永相模守
三千五百石 久世下野守
千五百石 戸田肥後守
三百表 平岡越中守
三百表 城織部
三百表 徳山綱太郎
三百表 岡田左一郎
三百表 森川荘次郎
七百石 深津弥左衛門
五百石 井上啓次郎
二百表 都筑鐐太郎
五百石 朝比奈織之丞
御小姓頭取衆
四百表 諏訪安房守
三百七十五石 野村丹後守
三百表 木村備後守
五百表 坪内豊前守
三百表 内藤土佐守
二千五百石 石谷安芸守
御小納戸頭取衆
千石 須田淡路守
三百表 野田下総守
三百表 横山紀伊守
三百表 荒尾大和守
三百石 服部加賀守
御先手御鉄炮頭
千石 三枝左兵衛
二千七百四十三石 徳山五兵衛
三百表 藤沢讃岐守
千八百石 本間弾正
三千石 加藤織之助
三百表 田付主計
七百五十石 大久保与三郎
二千二百石 水谷弥之助
三千石 進藤力之助
四百石 上野七太夫
五百石 戸田寛十郎
四千石 佐野鉄六郎
釼術師範役
三百表 榊原鍵吉
百俵 今堀千五百蔵
百表 十人フチ 伊庭軍兵衛
三百表 三橋虎蔵
百表 十人フチ 湊倍八郎
槍術師範役
三百表 加藤平九郎
三百表 駒井志津磨
百表 勝与八郎
二百表 杉浦藤馬
炮術師範役
三百表 飯田庄蔵
三百表 榊原鏡次郎
百表 吉田直次郎
{四段目}
御鉄炮方
田付四郎兵衛
井上左太夫
御持筒頭
松平侶之允
曽我主水
水野主膳
朽木大和守
御武具奉行
松下誠一郎
千人頭 四頭
御徒頭 十一頭
御小十人頭 四頭
百人頭 十頭
釼術槍術御組下六十六騎
歩兵御差図役百二十人
御目付衆
二十五頭
木村兵庫頭
竹内日向守
小笠原摂津守
小俣稲太郎
伝田織部
向山栄五郎
牧野伊予守
新見河内守
井上元七郎
伏屋七之助
徳永鋳次郎
木原兵三郎
山田十太夫
長田六左衛門
松野孫八郎
松平鎌蔵
松平左金吾
岡部三右衛門
池田鎗三郎
杉浦兵庫
大屋頼母
永井真之丞
関保右衛門
本多左内
村越三十郎
御使番衆
五十二頭
溝口官兵衛
松平兵庫
朽木亀六
有馬式部
酒井数馬
大森金五郎
小堀大学
赤井一角
酒井君之助
阿倍進太郎
戸田熊之丞
土岐左近
渡辺鎌次郎
依田銚之助
筧助兵衛
永井大之丞
木原兵三郎
松平舎人
山田十太夫
松平主計
城隼人
落合将監
井戸大内蔵
柳生主膳
竹尾戸一郎
古郡孫太夫
松平劉之助
三好内蔵助
永見貞之丞
諏訪左源太
山岡十兵衛
松平伊織
安藤伝右衛門
黒田五左衛門
建部徳次郎
仙石儀兵衛
徳永鋳次郎
松野八郎兵衛
松野孫八郎
長田六左衛門
牧修理
伏屋七之助
河野勘右衛門
小笠原彦太夫
水上鐃太郎
長谷川久三郎
吉川金次郎
能勢惣右衛門
曽根政之丞
荒川瑛太郎
梶清三郎
本多作十郎
御進発之節御留守居
○御老中
遠州浜松六万石 井上河内守
山城淀 十万二千石 稲葉美濃守
信州田ノ口一万六千石 松平縫殿頭
○御若年寄
丹後峰山 一万二千石 京極主膳正
遠州相良一万石 田沼玄蕃頭
上総玉造 平岡丹波守
○別段江戸御警衛
武州忍十万石 松平下総守
三州吉田七万石 松平刑部大輔
羽州庄内 十七万石ヨ 酒井左衛門尉
奥州盛岡二十万石 南部美濃守
羽州米沢十五万石 上杉式部大輔
奥州弘前十万石 津軽越中守
越後柴田十万石 溝口主膳正
羽州久保田 二十万五千八百石 佐竹右京大夫
作州津山十万石 松平確堂
奥州仙台 六十二万五千六百石 松平陸奥守
慶応二年江戸市中騒動(仮)
慶応二年(一八六六)
第二次長州征伐の最中、江戸、京都、大坂では打ちこわしが起き、各地で百姓一揆が頻発した。江戸での打ちこわしの様子を伝える図と解説されている。
図191 慶応二年江戸市中騒動(仮)
■■[欠損]四ツ目五百人
■[欠損]五ツ目八百人
浅草馬道
九百三
十人
深川
大島丁辺
一万
五千人
本郷春木丁六百
十五人
松島丁千百八十人
鎌倉
川岸
四千
人
下谷
坂本金杉
二千八百
六十人
れい
岸島
■[欠損]百人
牛込地蔵院前
五百三十人
神田
三崎丁辺三
千人
本石松倉丁辺
五千百二十人
駒込片丁九百人
日本橋辺
二千人築地千九百
八十人
八丁堀一円
五千
百人
佐久間
丁辺
八千
人
本所御竹蔵辺
二
千
五百人
今戸辺八百人
浅草あべ
川丁
千百人
糀丁七百人
赤坂辺千百
人
市ケ谷御門外
二千人
四つ谷御門外
千五百
人
芝田丁辺
三千人ヨ
江戸市中一円ニヤ
人数〆 八十五万 三千五百余人
{奥に異筆}慶應年幕府の末江戸の市民最も困窮を極め其結果各■■[欠損]団となり資産家之店頭に押掛け物品を乞ふ是を貧民騒きと■