郵便報知新聞 第五百二十五号
(新潟の獄の牢破り)
二人の罪人が組んで牢破りをもくろむが失敗して獄吏に捕らえられた話。風雨を表す斜めに走る線が動きのある画面を強調している。
郵便報知新聞 第五百二十五号
新潟の獄に啓助由蔵と云ふ両個乃悪/漢ありしが共に破牢せんと約束したるうち/由蔵ハ懲役なれバ六十日にて出牢せしが/或夜風雨に乗じ紛れこミ長き棒の/先に鋸と出刃包丁を結付之に便て/塀堀を乗こへ獄に近き格子の内へ件の/品を差入声を潜し我等ハ寺町通真/宗寺の縁の下に忍び居れバ速にいで/来りて尋よと云て去れり然るに此日/啓助か様子怪しと目を付別人を入/替おきたるにぞ早速奸謀発覚て其/夜一個を罪人体ニ仕立彼処に遣し偽て/由蔵を釣立し忽ち縄をうけたりける悪/物巧ミに計ると雖終に獄吏に計られ/たり
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