第2部 展示解説 動物界

軟体動物の分類と系統関係

腹足綱 (Class Gastropoda)

 

直腹足亜網 (Subclass orthogastropoda):

Apogastropoda: Hypsogastropoda:

(2) 翼舌亜目 (Suborder Ptenoglossa):

 解剖学的な研究が十分に行われておらず、系統的にな位置づけが十分に分かっていないグループである。おそらく側系統または多系統であると考えられている。歯舌は紐舌型よりも歯の数が多く、翼のような平面的な歯をもち、翼舌型 (ptenoglossate) と呼 ばれる。全てのグループが肉食性である。

 ハナゴウナ上科 Eulimoidea のハナゴウナ科 Eulimidae( 図 25A-B) は、例外なく棘皮動物に寄生する。 光沢のある殻をもち、しばしば、上下に連続する斜めの彫刻をもつ( 図 25B) 。 ヒトデナカセ Thyca cristallina は笠型になり、ヒトデ類に付着して生活する ( 佐々木, 2002: 図 3-21) 。ミツクチキリオレ上科 Triphorioidea は細長い貝殻をもち、表面には複雑な格子状の彫刻があ る。海綿類のみを食べる。クリイロケシカニモリ科 Cerithiopsidae は右巻 ( 図 25C) 、ミツクチキリオレ科 Triphoridae( 図 25D) は大部分が左巻の種からなる。 アサガオガイ上科 Janthinoidea は紫色の分泌物を出す点に共通性がある。アサガオガイ科 Janthirddae は足から粘液をだして泡のいかだを作り、海面に浮かんで浮遊性の生活を送る。海の色にとけ込むような青紫色の殻を もっている。カツオノカンムリなどのクラゲ類を捕食する。センマイドウシ科 Aclididae ( 図 25E) は殻が細長く、螺層の数が多い。砂底に生息するが、生態は全く分かっていない。 イトカケガイ科 Epitoniidm( 図 25F) の殻は特に縦肋が発達する。イソギンチャク類を捕食する。

 

前頁へ表紙に戻る次頁へ


Copyright 2004 The University Museum, The University of Tokyo