第三部
建築のアヴァンギャルド
理科大学動物地質学教室
明治43年2月竣工の理科大学動物地質学教室、煉瓦造二階建に地下室付。コの字形の平面を持つこの建物は、両端部と中央部を突き出させた全体がオーソドックスな古典主義でまとめられている。各隅に古典主義の柱を有し窓のデザインも秀逸である。設計者は不明だが、柱頭のデザインに現存する理科大学科学教室のそれと通有な点が認められるなど、山口孝吉が設計に関与した可能性は強い。