第三部
建築のアヴァンギャルド
旧東京医学校本館
明治9年に竣工した旧東京医学校本館は明治四三年に内科病棟などの建築に「差障」ありとして、二分して前半部は史科編纂掛として赤門脇に、後半部は学士会館として神田錦町に移築することになった。この移築に伴う改造の設計をしたのが山口孝吉。前身建築の明治初期の和洋折衷的な要素を残しているが、デザインは古典主義的で新しい。昭和44年(1969)年に小石川植物園内に移築され翌年には重要文化財に指定されている。