第2部 展示解説 動物界
魚類の多様性

 

ヒメ目 Aulopiformes [ 4亜目 13科 42属約 219種 ]

 体はふつう細長い円筒形。脂鰭をもつものが多い。多くの種では、 口は大きく、歯が鋭い。すべて海産。一般に体鱗は浅海性のものでは櫛鱗、深海性のものでは円鱗か、またはない。最古の化石は白亜紀後期のものである。

 

ボウエンギョ亜目 Giganturoidei [ 1科 1属 2種 ]

 眼は大きく、管状で、前方を向いている。ボウエンギョ科 Giganturidae のみからなる。

 

ヒメ亜目 Aulopoidei[1 科 2 属約 9 種 ]

 文きな背鰭をもっ。脂鰭がある。ヒメ科 Aulopodidae のみからなる。

 

アオメエソ亜目 Chlorophthalmoidei [ 4科 15属 85種 ]

 代表的な科はアオメ工ソ科 Chlorophthalmidae( 20種、大西洋・インド洋・太平洋 ) である。この科の魚は、体が細長くほぼ円筒形で、眼は大きくやや背側にあり、肛門周辺に発光器をもつ。

 

ミズウオ亜目 Alepisauroidei [ 7科 24属約 123種 ]

 代表的な科はエソ科 Synodontidae( 約 55種、大西洋・インド洋・太平洋海域、まれに汽水域 ) である。この科の魚は、口が大きく、歯長は非常に鋭く、眼は小さい。

 

ハダカイワシ目 Myctophiformes [ 2科約 35属約 241種 ] ( 図 20)

 ほとんどの種が発光器をもつ。脂鰭がある。口はふつう大きく、 端位。 水深 200m前後の大陸棚の縁あたりや外洋の水深 200m から 1200mに生息する。このグループはワニトカゲギス目魚類とともに、外洋の中層や深層で生活する代表的な魚類である。最古の化石は白亜紀後期の地層から発見されている。
  ハダカイワシ科 Myctophidae 魚類 ( 約 235種 ) は、眼が大きく、体形はニシン科魚類 ( ニシン目ニシン亜目 ) に似ている。体は柔らかく、鱗 や皮が剥がれやすい。 1種を除いて、発光器をもっている。ほとんどの種が数100m にわたる日周鉛直移動をする。夜間に表層近くに浮上 して、小型の動物プランクトンを摂食するが、自らは多くの魚類、イカ 類、晴乳類などの餌になっている。海洋における現存量は大きい。

 

 アカマンボウ目 Lampridiformes [ 7科 12属約 19種 ]

 鰭は軟条のみからなる。上顎は前上顎骨で縁どられる。摂餌の際、上顎を大いに突出させて、口を大きくすることができる。閉じたときの 40倍も大きくなる種もいる。すべて海産。最古の化石は前期暁新世の地層から発見されてる。
  リュウグウノツカイ Regalecusrussellii ( リュウグウノツカイ科 Regalecidae) は最長の硬骨魚で、体長 17m の記録があるという。

 

 ギンメダイ目 Polymixiiformes [ 1科 1属 5種 ]

 体は卵円形で、側扁している。下顎に、下舌骨に支えられた 1対の長い鬚がある。背鰭は 1基で、前部の 4-6本は棘条。臀鰭の前部の 4本も棘条である。この仲間の眼は大きく、光が入ると網膜にある反射層により青昧がかった色に光る。最古の化石は白亜紀後期の地層から発見されている。
  ギンメダイ類はキンメダイ目Beryciformes に含められることが多かったが、最近では独立した目とみなされている。
  ギンメダイ科 Polymixiidae のみからなる。大西洋・インド洋・西部太平洋の熱帯・亜熱帯海域に分布。

 

 

前頁へ表紙に戻る次頁へ


Copyright 2004 The University Museum, The University of Tokyo