第2部 展示解説 動物界
魚類の多様性

 

 ワニトカゲギス目 Storniiformes [ 2亜目 4科 51属約 321 種 ]

 体の側面や腹面に発光器が並ぷ。口は大きい。すべての鰭は軟条のみからなる。下顎に鬚をもつものがいる。脂鰭をもつものともたないものがいる。臀鰭の前にも脂鰭をもつ種もいる。体は黒褐色や黒色のものが多い。最古の化石は中期始新世の地層から発見されている。
  この仲間はハダカイワシ目 Myctophiformes とともに、外洋の中層や深層で生活する代表的な魚類である。ヨコエソ科 Gonostomatidae のヨコエソ Gonostoma gracile やオニハダカ Cyclothone atraria などは性転換をする魚として知られており、はじめ雄として成熟した後、雌に変化する。

 

ヨコエソ亜目 Gonostomatoidei [ 2科 17属約 75種 ]

 顎には大きさの揃った小さい歯が並んでいる。
  ヨコエソ科魚類 (26種) の体は細長く、側面と腹面には数列の発光器が並ぷ。ヨコエソ科のオニハダカ属 Cyclothone はギンハダカ科 Photicthydae( ギンハダカ亜目 Photichthyoidei) のウキエン属 Vinciguerria とともに世界で最も数の多い脊椎動物である。
  ムネエソ科 Sternoptychidae は約 49種からなる。

 

ギンハダカ亜目 Photichthyoidei [ 2科 34属約 246種 ]( 図 18)

 ギンハダカ科魚類 ( 約 18種 ) の体は細長く、茶褐色である。下警に鬚がない。
 ワニトカゲギス科 Storniidae 魚類 (228種 ) は黒い体色のものが 多く、ふつう下顎に鬚がある。

 

シャチブリ目 Ateleopodiformes [ 1科 4属約 12種 ]( 図 19)

 体は細長い。特に尾部は細長い。骨格は軟骨性で、吻は球根状。すべての鰭は軟条のみからなる。背鰭は 1基で、基底は短い。臀鰭の基底は非常に長く、小さい尾鰭と連なっている。糸のような腹鰭は喉位で、 1本の軟条のみからなる。すべて海産で、体長が約 2mになる種もいる。骨の化石は発見されていないが、中期中新世の地層から耳石が発見されている。
  シャチブリ科 Ateleopodidae のみからなる。カリブ海・東部大西洋・インド−西太平洋・パナマとコスタリカ沖の東部太平洋海域に分布。 日本周辺には 5種が分布するが、深海の刺網や底曳網でまれに捕獲されるにすぎなし、。

 

 

前頁へ表紙に戻る次頁へ


Copyright 2004 The University Museum, The University of Tokyo