応用プロジェクト〜はじめに


トロンプロジェクトは大きくわけると基礎プロジェクトと応用プロジェクトの 2 つに 分かれる。

基本プロジェクトはコンピュータアーキテクチャの研究・開発を行うプロジェクトであ る。現在、トロン協会プロジェクト推進委員会を中心として仕様決定など活発な活動を 続けており、 TRON 仕様チップ、 ITRON 、 BTRON 、 CTRON などのプロジェクトが ある。

一方、応用プロジェクトは、来るべき 1990 年代後半から 21 世紀にかけての進んだ 応用を研究するプロジェクトで、トロン協会と独立したいくつかの研究会で進められて いる。応用プロジェクトはトロンのアーキテクチャ体系に対する応用分野からの要求の フィードバックという意味から重要なプロジェクトである。なぜなら、私達のプロジェ クトでは常に望ましい要求仕様からトップダウンにアーキテクチャを作っていくことを 考えており、そのためには未来の応用に関して十分研究し、そこから出てくる要求を基 本的なアーキテクチャに反映することが必要だからである。

未来の社会ではコンピュータが私達の生活のあらゆるところに影響を与えるという前提 にたち、応用プロジェクトは現在の応用よりさらに進んだ——まだ実現していないもの も含め、いろいろなコンピュータの応用に関して先取り的に研究を進めている。

住宅に関してのコンピュータの応用、ビルに対しての応用、そして都市への応用、未来 の自動車などに関しての研究が着々と進んでいる。

以下でそのような応用プロジェクトとして具体的にどういうものがあるのかを簡単にご 紹介するものであるが、トロンプロジェクトの幅広い活動の一端を知っていただけたら と思う。

1994 年 12 月
坂村健
トロンプロジェクトプロジェクトリーダー


応用プロジェクトに関するお問い合わせ先

社団法人トロン協会
プロジェクト推進委員会
チェアマン 坂村健
〒 108 東京都港区三田 1-3-39 勝田ビル 5F
TEL 03-3454-3191