このデータベースは東京大学総合研究博物館・人類先史部門所蔵の古写真資料、約2500点の画像データベースである。当コレクションの写真資料はほとんどが明治・大正期に撮影されたものであり、東アジア・ミクロネシアに関する貴重な人類学的学術資料である。
本館の人類先史部門では、1980年代より収蔵標本の公開利用を推進すべく、データベース化を進めてきた。古写真資料については赤澤威を中心とした研究グループにより、2545点について、写真乾板の再生、保存、照合作業が実行された。その結果、1990年には台湾、満州、千島、沖縄、西南中国のもの約800点について4部からなる標本資料報告が出版され(「東京大学総合研究資料館所蔵鳥居龍蔵博士撮影写真資料カタログ、第1部から第4部」鳥居龍蔵写真資料研究会編)、翌1991年には特別展示「乾板に刻まれた世界-鳥居龍蔵の見たアジア」が開催された。後者では、上記標本資料報告で取り上げた諸地域の写真資料のほか、朝鮮の古写真資料の一部が公開され、関連情報と共に、展示カタログの一部として50点ほどが出版された。続いて1999年には、600点以上にのぼるミクロネシアの古写真資料のうち、選定された100点について関連情報を整備した標本資料報告が出版された(「東京大学総合研究博物館所蔵ミクロネシア古写真資料カタログ」印東道子著)。
本画像データベースは上記の出版成果の母体となった、約2500点のコレクション全体を扱ったものであり、鳥居龍蔵写真資料研究会によって作製された保存用オリジナル写真フィルムの映像をデジタル化したものである。
平成18年度科学研究費補助金使用