この中学校には「学問のまち」の学習施設の核の役割が、要求された。建築のソフトの充実に加えて、建築そのものが先進的で高質なメディアとして捉えられた。この敷地は美しい国美山系の山並みの上にあり、周辺にはその連続としての山並みと平地、そして豊かに流れる川の風景が広がっている。これらの風景の共通のメタファーである波—波動は生命の胎動のエネルギー、情報の伝達、そして歴史や文化のダイナミズムをダイレクトに表現しており、ここでは、この風景と施設の役割から生まれる新たな波動の丘としての波丘(はきゅう)の建築を提案した。波動の丘は内部に存在する諸機能を有機的に融合させ、緑化された空中庭園は山の自然環境と同化する建築として実体化されてる。また機能に従って多様な空間が直感的な形態で明確に象徴化されている。融合し独立の同時的成立によってフェミニズムの空間を構想することにより、この施設を中心にし多様なアクティビティーを生む高質なメディアとしての建築が指向されている。