65a 彫劾刀他の道具一揃い 築地活版の彫師安藤末松の遺品より 昭和初期 個人蔵 |
65b 木製種字 築地活版の彫師安藤末松の遺品より 昭和初期 個人蔵 |
65c 鋳型 築地活版の彫師安藤末松の遺品より 昭和初期 個人蔵
安藤末松は東京築地活版製造所の最後の種字彫師である。竹口庄太郎、鈴木彦次郎らが師匠。築地時代に細九ポイント明朝体を完成させた。昭和一三(一九三八)年に築地活版が閉鎖されてからは、独立し、各社の活字を彫るようになった。昭和四七(一九七二)年五月没、享年六十二歳。 |
66a[不掲載]ルーペ三種 博文館の彫師君塚樹石の遺品より 昭和初期 個人蔵 |
66b 見本用米国製活字セット他 博文館の彫師君塚樹石の遺品より 昭和初期 個人蔵
君塚樹石は明治三三(一九〇〇)年東京生まれ、本名は興一。大正三(一九一四)年博文館印刷所に入社、種字彫師石渡栄太郎に師事した。君塚の名が知られるようになったのは、精興社の活字を彫ってからである。漢字については他社製活字との差異も明白でないが、平仮名の線の張り、端正な意匠、漢字に対する字面の大きさとフトコロの設定などに特長がある。君塚は原寸彫刻から拡大原字作図までをこなした数少ない職人のひとりである。昭和四五(一九七〇)年八月没、享年六十九歳。 |
67a 初号年賀文字各種 明治中期以降の母型より新鋳 個人蔵
年賀文字とは企業の年賀広告用に製造された変書体。初号から一号、二号を中心にして多くの種類が存在する。初製は東京築地活版製造所の初号蔓型(明治二〇年代後半)と思われる。 |
67b 初号長宋体仮名一式 昭和初期の母型より新鋳 津田三省堂製 個人蔵M
宋朝体活字は上海の中華書局書体に基づいて、昭和初年、津田三省堂によって初めて国産化された。津田三省堂の製品には、縦に細長い長宋体とそれほど細長くない方宋体の二種類があり、後に森川龍文堂から龍宋体活字も発表された。本品は津田三省堂の宋朝体活字のうちでもっとも珍しい初号活字の仮名一式。 |