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第四部

知の開放


史料編さん所

アメリカ国旗を掲げた船(側面図)
アメリカ国旗を掲げた船の絵(正面図) 史料編さん所は日本史に関する史料研究と編さん・出版を行う研究所である。実物展示では「ペリー渡来図貼交屏風」と歴史上の人物の肖像画を展示している。維新変革の起点となった黒船来航は、日本の近代の幕開けを告げる出来事である。描かれたイメージから、その衝撃の大きさを読み取ってほしい。

また本研究所には、明治以来の調査活動の結果として、大量の肖像画模写本が蓄積されている。仮想展示のコーナーでは、現代人にも周知の人物の肖像画を中心に選んである。この機会に、彼らとその縁者がどのような容貌と姿であるかを検索することが出来る。

この仮想博物館は、たくさんの部屋に分かれており、戦国・織豊期を中心として、約350点の模写肖像画が、さまざまにグル−ピングして陳列してある。謎の肖像画もあれば、天下人たちの肖像画も並んでいる。また戦国大名一族の肖像画があるかと思えば、歴代の天皇や将軍家の肖像画群もあるといった具合である。

ペリー渡来図貼交屏風

ペリー来航時のスケッチ画ペリー来航時のスケッチ画
ペリー来航時のスケッチ画
「ペリー渡来図貼交屏風」に関わると
思われる多数のスケッチ

鎖国日本に開国を迫り、国際条約体制を突きつけるアメリカ合衆国の全権使節、ペリーと、その強力な蒸気船艦隊=「黒船」。その近代の「衝撃」は、当時の日本でどのようなイメージとして受けとめられたのだろうか?それを証言する興味深い材料のひとつがここにある。黒船そのもの、ペリーその人自体が、細密な画像として写生されているこの史料が、この事件のもつ歴史的な迫力を、具体的に捉え直すきっかけになれば幸いである。

史料編さん所では、明治以来、国内外に残されている日本史の基本史料を調査・収集してきた。そうした収集史料のなかに、約900点に及ぶ肖像画の模写本がある。

最近の歴史学では、こうした肖像画のような絵画や画像も、歴史研究の重要な史料として注目されるようになっており、本研究所が収集・蓄積してきた模写肖像画も脚光を浴びつつある。

模写肖像画「徳川家康」
模写肖像画「徳川家康」
模写肖像画「武田信玄」模写肖像画「徳川家康」


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