29 武人像
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木芯塑像彩色
中国
新疆ウイグル自治区トルファン
唐時代(8世紀)
高さ30.0cm
山中商会より昭和8年3月30日に購入。
大谷探検隊将来品(「特別展シルクロードの絵画」、大和文華館図録による)。
昭和51年11月26日、「東京大学東洋文化研究所創立記念日研究所所蔵品展示」において展示(目録番号26)。
昭和63年4月22日〜5月22日、「特別展シルクロードの絵画—中国西域の古代絵画」(大和文華館)において展示(目録番号64)。
東洋文化研究所
甲胄で全身をおおったこの塑造武人像は、長靴にいたるまで粘土で整形されている。彩色はあるものの背面はきわめて平面的に作られており、正面観照性が強調されている。頭部と両肩をまもる兜の頂部には亀裂が入っている。胸前の両手を直径0.5センチ程度の斜め向きの穴が貫通しており、長く細い棒状のものを保持していたことがわかる(スタイン、前掲書、Ast. iii.2.049など参照)。鼻が隆起し眼球が突出している。顔と手は肌色で、口唇と喉当てには朱色、眉、目、髭や長靴には墨や墨線を用いる。甲の下衣には白緑が用いられている。甲胄を構成する札の輪郭線には墨線を用いており、灰色と茶色の太い装飾的な線もときどき使用されている。太い灰色線上には、各札ごとに朱点が打たれている。