蓮實重康博士旧蔵美術史資料

蓮實重康博士旧蔵美術史資料のうちデジタル画像データについて

本コレクションについての収蔵時の情報についてはウロボロス第14号を参照してください。今回デジタル画像化をおこなったのは、オリジナル写真で学問研究上有用なものとし、印刷物絵葉書類は原則、除外しました。

このたび、資料の再検討の結果、上記報告にいくつか訂正することが生じました。とりわけ、蓮實博士の生年をご著作の『ほほえみの美学』から引用して1907年といたしましたが、他の多くの情報によりますと明治37年西暦1904年生まれが正しいものと思われます。お詫びして訂正申し上げます。

データベース作成の基本情報の収集について

資料が少なくとも四半世紀以前のものとあって、収蔵先などかなり変わっています。また、ものによっては資料自体に何ら文字情報のないものもあり、これらを含めて、できるかぎり、今現在の情報を盛り込むよう努力しました。基本的にはインターネット検索を用い、充分でない点は一般図書館、博物館などで調べました。雪舟については、没後500年の特別展のカタログの恩恵にあずかりました。さらに埴輪については城西大学の倉林眞砂斗先生、絵画と蓮實博士の論文リストについては美術史修士学生の佐藤隆信さん、仏像については日本史学生酒井努さん、蓮實博士の年譜については文化資源学修士生の清家三智さん、全般にわたって美術史学生の藤本真帆さんの協力を仰ぎました。心から感謝いたします。しかしながら、限られた時間に美術史のバックグラウンドのない作成者が直面した問題は多数あり、解決できないものも多くあります。なかには誤認や誤謬があるはずで、その責任は作成者にあり、またお気づきの点があれば、ぜひお知らせ願いたく存じます。


デジタル画像に伴う情報は以下の通りです。

A:通し番号、B:画像ファイルネーム、C:分類(彫刻・考古・絵画など)D:時代(歴史的区分)E:蓮実博士のファイル名、F:台紙の番号、G:台紙の大きさ、H:写真サイズ(たてxよこcm)、I:所属(別表で連絡先)、J:作者、K:名称、L:材、M:実物の大きさ(高さ、またはたてxよこcm、米国の美術館所蔵のものはインチで表されているものもある。)、N:全体か部分か、あるいはその向き)、O:撮影者、P:所属英文、Q:作者英文、R:名称英文、S:材英文、T:撮影者英文、U:被写体のサイズ、V:備考(蓮實博士が記入されたものの写し)、W:参考(国の文化財指定情報)、X:参照

新規収蔵品展示にあたり、西野嘉章教授のご指導のもと、班長の甲斐さん、ML記録担当の木曾田さんはじめ西野ゼミの学生のみなさんといっしょにお仕事させていただけたのは、望外の喜びです。昨年度から引き続き受講の滝田瑞木さんからは多くのアドバイスをいただきました。なお、ソフトウェアは博物館の鵜坂智則先生が、デジタル画像化は株式会社堀内カラーが担当してくださいました。みなさま、ありがとうございました。

2002年9月21日 筒井弥生


蓮實重康博士略年譜

1904年 5月30日 東京麻布に生まれる
1930年 京都帝大文学部哲学科(美学)卒業、同大学院進学
1932年 帝室博物館美術課に嘱託勤務
1936年 博物館鑑査官補
1941年 同鑑査官
(太平洋戦争 出征)
1949年 美術史学会代表。
1950年 文化財保護委員会事務局美術工芸課勤務。
1952年 奈良国立博物館学芸課長。
1957年 京都大学文学部助教授。
1960年 同教授。
1961年 「雪舟等揚―その人間像と作品―」により京都大学から文学博士の学位を取得
1962年〜1966年 日本美術紹介のため、欧州米国へ。コペンハーゲン大学、ボン大学、ミシガン大学等で「桃山時代の絵画」他を講義
1968年 京都大学教授定年退職、東海大学文学部教授
1979年 1月11日逝去、享年74歳

吉川弘文館から出ている『日本史研究者辞典』(1999)による
作成者:清家 三智


東京都都立図書館蔵書より

  1. 雪舟等楊新論 : その人間像と作品 / 蓮実重康‖著 / 朝日出版社 , 1977
  2. ほほえみの美学 / 蓮実重康‖著 / 東海大学出版会 , 1972 (東海大学文化選書)
  3. 弘仁・貞観時代の美術 / 蓮実重康‖編 / 東京大学出版会 , 1962 (日本美術史叢書 ; 第2)
  4. 雪舟 / 蓮実重康‖著 / 弘文堂 , 1958
  5. 雪舟等揚論 : その人間像と作品 / 蓮実重康‖著 / 筑摩書房 , 1961
  6. 雪舟はどう語られてきたか / 山下裕二‖編・監修 / 平凡社 , 2002.2 ( 平凡社ライブラリー ; 424 )

☆そのほかの著作については論文リストを参照してください。


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