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凡例


  1. 本書は、東京大学総合研究博物館の企画「東京大学コレクションIX」として、東京大学社会情報研究所創立五十周年を記念し、一九九九年十月八日から十二月十二日まで開催される展覧会「ニュースの誕生〜かわら版と新聞錦絵の情報世界」の図録である。なお、本展は総合研究博物館と社会情報研究所が主催し、朝日新聞文化財団とアサヒビール芸術文化財団の助成を得た。

  2. 展示された資料の主要なものに、若干の展示されない参考資料を加え、その図版を掲載した。巻末に、社会情報研究所が所蔵する小野秀雄コレクションのうち、かわら版・新聞錦絵の全リストを掲げた。図版の配列は展示順序と必ずしも一致しない。

  3. 展示資料の一部には、資料保全の理由から全期間展示できないものがあり、会期中適宜展示替えを行う。

  4. 図版には、図版番号・資料名・年代・所蔵先・読み下し文・解説を付した。ただし、図版中所蔵先の記されていない資料は、小野秀雄コレクションに属するものである。また、巻末の小野秀雄コレクションリストには、これに加え、新分類番号・絵師・版元・寸法を示した。さらに、新聞錦絵の場合は、読み下し文の冒頭一〇字程度を付した。

    1. 資料名については、かわら版では、題名と認められるものが記されている場合はそれを示し、そうでない場合は内容を伝える名称を便宜的に付け、(仮)とした。新聞錦絵の場合は、標題欄にある新聞名と号数までを資料名とした。

    2. 資料の出版年が明確でない場合、かわら版は対象事件の発生年を以って、資料の年代とした。

    3. 読み下し文については、次の原則を立て、かわら版・新聞錦絵ともに可能な限り共通する書式で示すように努めたが、資料の性格上止むを得ない場合は、それぞれ妥当と思われる書式を定めた。

      • 旧漢字は当用の新漢字に変えた。漢数字のうち、「壱」「弐」「参」「拾」「廿」などは、「一」「二」「三」「十」「二十」とした。
      • 変体仮名は現行の仮名に改めた。ただし、ゑ、ゐ、およびカタカナについては、そのまま残した。
      • 繰り返しの記号は、繰り返すべき文字を書き記し、記号は省いた。〃は、「同」の文字に置き換えた。
      • 明らかな誤りは、[ママ]を付した。推定は[ ]内に推定文字を示し、[カ]とした。
      • 判読上必要と思われる事柄は を以って、注記した。
      • かわら版の欄外に示された文字については、袖、奥、天、地などで欄外の箇所を示したうえで、解説文を付した。
      • 文中の箇所を指示する場合には、上段、下段、一段目などとして、表記された文章箇所を差し示した。
      • ルビは、原文を忠実に再現するように努めた。
      • 割書きは、原則として、原文に即して表記した。二行以上の割書きの場合も、原則として二行の割書きを以って表した。
      • 虫喰いなどの判読不可能な場合は、字数相当分を■で示した。
      • 原文に忠実な解読を目指し、改行も原文の体裁に添ったが、読みにくい場合には、適宜判断し、読みやすくなるよう体裁を整えた。
      • かわら版の読み下しは、可能な限り全文を掲載するよう努めたが、災害の場合の長文にわたる被害箇所の書き連ねなどは、紙幅の都合上省略し、省略箇所を中略などと明記した。
      • 差別語と判断される不適切な表現は、歴史的な資料という性質上、そのまま表記した。
      • 読み下しには、石山秀和、重田麻紀、田中葉子、富越薫子、富沢達三、新関博子、西光三、平賀涼子、松尾美穂、宮原一郎、山本拓司があたり、かわら版は北原糸子が、新聞錦絵は、土屋礼子佐藤健二が校閲した。

    4. 解説は、「かわら版の情報世界」では岩崎均史、北原糸子、田中葉子が、「新聞錦絵の情報世界」では土屋礼子、山本拓司が、「ニュースという物語」では北原糸子、佐藤健二、富沢達三、平田由美、宮本大人が、「小野秀雄とコレクション」では吉見俊哉が執筆した。

  5. 英文要旨は、ロン・スチュワート、ロス・ケリー、ライラ・ワイスが翻訳した。

  6. 写真は上野則宏が撮影したほか、大阪城天守閣、お茶の水図書館、国立国会図書館、たばこと塩の博物館、東京大学史料編纂所、東京大学法学部附属明治新聞雑誌文庫、東京都立中央図書館から提供を受けた。


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