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[ニュースという物語]


其名も高橋毒婦の小伝 東京奇聞

岡本勘造綴、吉川俊雄閲、桜斎房種画
初編明治十二年(一八七九)二月〜第七編同年四月
東京大学法学部附属明治新聞雑誌文庫蔵
『東京さきがけ』改め『東京新聞』に連載されたつづき物は、『高橋阿伝夜刃譚』に2日先んじて合巻化され、初編以後も先を争うようにして刊行された。お伝の供述を否定するところから物語を開始した魯文と異なり、ここでのお伝は彼女の供述どおり、沼田藩家老のご落胤という出自をもち、事件も仇討ち殺人として物語られている。

其名も高橋毒婦の小伝 東京奇聞
図275

 

高橋阿伝夜刃譚 初編

仮名垣魯文著、守川周重画
初編明治十二年(一八七九)二月〜第八編同年四月
東京大学法学部附属明治新聞雑誌文庫蔵
『かなよみ』でも魯文が「毒婦おでんの話し」の連載を始めたが、これはわずか二回で中絶し、直ちに金松堂辻岡屋文助から合巻として発兌された。この唐突な企画変更の背景には、『東京奇聞』との出版競争があったといわれる。草双紙としてきわめて異例の活版刷初編はそのことを示唆する。

高橋阿伝夜刃譚 初編
図276

 

綴合於伝仮名書筋書

『歌舞伎新報』十四号・明治十二年(一八七九)五月十五日、十七号・五月三十日
東京大学法学部附属明治新聞雑誌文庫蔵
「綴合於伝仮名書」は、新富座での上演に先だって『歌舞伎新報』にその筋書が連載された。この年創刊されたばかりの『歌舞伎新報』は、劇評や劇界雑報のほか、各座で上演される狂言筋書の連載が売り物であった。

綴合於伝仮名書筋書
図277


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