生命の科学

第一部

生命の科学の基礎:植物と動物


日本の生命、昆虫

世界最大級の昆虫たち
世界最大級の昆虫たち
昆虫類は地球上の生物の中で最も種類が多い。世界中で今まで80万種も記載されているが、熱帯ではまだ調査の行き届いていない地域が多数あり、おそらくこの10倍以上の種類がいるものと考えられている。ここにある大きな昆虫たちはそのほとんどが東南アジア及びニューギニアの熱帯産である。最も大きい昆虫はゴライアスオオツノハナムグリで体長が12センチ、体重が100グラム近くもある。ナナフシでは体長が55センチにも達したものが知られている。東南アジアから沖縄の八重山地方にかけて分布するヨナクニサンは最大級の蛾である。蝶類では東南アジアからニューギニアにかけて分布するメガネアゲハ類が最大級である。日本のオオスズメバチはハチ類としては最大級の大きさを誇っている。
(資料提供 松本忠夫)

日本の蝶類1 日本の蝶類2
日本の蝶類3
日本の蝶類
南北に細長い日本は亜寒帯から亜熱帯まで様々な植生帯をかかえていて、比較的多くの昆虫類が生息している。蝶類でははっきりと生息が確認されているものが約230種、それに迷蝶として約40種が知られている。この数は日本の3分の2ほどの面積を有するイギリスにおいて、約70種程度しか知られていないことと比べると相当多いといえる。
日本産の蝶類のほとんどは旧北区系で、アジア大陸に分布しているものに多くは近縁である。しかしトカラ列島以南の南西諸島のものは東洋区系でこれらは東南アジアの島々のものと多くが近縁であり、いわば東洋区系昆虫たちの北限種たちである。
(資料提供 松本忠夫)


前のページへ 目次へ 次のページへ