地図と年表



■東京大学による西アジア調査遺跡1956-2006年
 西アジアの内陸部には乾燥したシリア・アラビア砂漠がひろがっている。その北縁にいわゆる肥沃な三日月地帯が位置する。年間降雨量が400mm以上あり、灌漑しなくとも農業がいとなめる地域である。そこは最古の農村が展開した土地であり、東京大学の遺跡調査はこの地域に集中している。発掘されたのは全部で20数遺跡、踏査遺跡は数百にのぼる。今回の展示に関連する12の遺丘を白抜きで示した。


■新石器化と今回の展示に関係する主な東京大学調査遺跡
 農耕牧畜の開始、またその発展の過程を新石器化という。新石器化の素地と作ったのは1万4,000年前頃から顕著になった定住化である。植物栽培はその頃から始まっていた可能性もあるが、栽培化された植物が出するのは1万年を少しさかのぼる頃である。動物の家畜化はやや遅れて始まり、9,000年前頃以降になってようやく食糧資源として定着した。