前衛芸術としての新聞


アヴァンギャルド運動を支えた稀少紙

 

40. 週刊イタリア芸術支配紙『フトゥリスモ(未来派)』

ミーノ・ソメンツィ責任編集
第二年三三号、一九三三年四月二三日発行
ローマ、イタリア・アルテクラジア
個人蔵(旧マリネッティ・コレクション)

Futurismo : Settimanale dell'artecrazia italiana/ Architettura-Ambientazione-Arredamento e Materiali da construzione Mino Somenzi(Director) No.33, 2nd Year, 23 April 1933-XI Roma, Artecrazia italiana Provenance : Marinetti Collection Private Collection 6pp., 640 x 440


41.隔週刊イタリア芸術支配紙『フトゥリスモ(未来派)』 

ミーノ・ソメンツィ責任編集
第二年五五号、一九三三年一〇月一日発行
ローマ、アルテ・ポリグラフィカ・エディトリアーレ
個人蔵(旧マリネッティ・コレクション)

Futurismo : Periodico dell'artecrazia italiana/ Architettura-Ambientazione-Arredamento e Materiali da construzione Mino Somenzi(Director) No.55, 2nd Year, 1 October 1933-XI Roma, Arte poligrafica editoriale Provenance : Marinetti Collection Private Collection 6pp., 640 x 440

マリネッティをはじめとする未来派詩人・芸術家がローマで一〇月末に開催される第一回大未来派国民展を「未来派ベニト・ムッソリーニ」に捧げる旨が報じられている。最終頁には隔週刊紙『サン・テリア』が創刊され、『フトゥリスモ』と各週交互に発行されることになるという予告がある。

42.隔週刊紙建築・インテリア紙『サン・テリア』

ミーノ・ソメンツィ+アムブロージオ・マッツォーニ共同主幹
第一年一号、一九三三年一〇月一〇日発行
ローマ、サン・テリア運動指導部
個人蔵(旧マリネッティ・コレクション)
Sant'Elia : quindicinale : Architettura-Arredamento-Materiali da construzione Mino Somenzi + Ambrosio Mazzoni(Directors) No.1, 1st Year, 10 October 1933-XI Roma, Direzione del Movimento "Sant'Elia" Provenance : Marinetti Collection Private Collection 6pp., 640 x 437

本紙名は一九一四年にミラノで新都市のヴィジョンを世に問い、一躍未来派の注目を浴びた建築家サン・テリアに由来する。イタリア参戦と同時に砲撃隊少尉として出征し、イソンジ戦線で非業の死を遂げた。弱冠二十八歳で没したサン・テリアは、たちまち未来派の最良の建築家に祭り上げられた。編集はミーノ・ソメンツィとアンジオーロ・マッツオーニの二人。版元はサン・テリア運指導部で、一九三三年七月二三日に隔週刊紙として創刊された。当初は同じソメンツィが編集していた隔週刊紙『イル・フトゥリズモ』と交互に発行された。一九三四年一月一日発行の第二年第一号より『イル・フトゥリズモ』と合体し、さらに二月一日発行の第二年第三号より『アエロヴィータ(航空生活)』を吸収するが、三月一日発行の『サン・テリア』第二年第五号の最終面に『イル・フトゥリズモ』の第三年第六二号とあるように、三ヶ月のあいだ変則的な状態が続く。三月一五日から月刊化し『イル・フトゥリズモ』の号数すなわち第三年第六三号を名乗ることになった。紙面はそれまでに較べひと回り大きくなったが、版式は先行紙のそれに倣っている。本紙は一九三四年九月の第七二号をもって終刊し、翌一〇月から『アルテクラツィア(芸術支配)』に衣替えする。

 

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