ごあいさつ

東京大学総合研究博物館は、平成8年5月に日本初の国立大学博物館として発足し、今年で10年目を迎えます。また、昨年4月に国立大学法人化が行なわれ、博物館も大学の一部局として、研究活動とともに展示を通じた社会貢献活動のいっそうの充実化を求められるようになりました。これに応えて、昨年秋から特別常設展示『Systema Naturae——標本は語る』展を行なっていますが、それと併設して2005年最初の特別展『メディアとしての建築——ピラネージからEXPO’70まで』を開催いたします。

東京大学が所蔵するG・B・ピラネージの建築版画や、19−20世紀の社会と文化を考えるうえで重要だと思われるいくつかの万国博覧会の建築に関する資料(印刷物・模型・映像)を展示いたします。周知の通り、西欧においても日本においても、博覧会は博物館という施設と制度に深い関わりを有します。「愛・地球博」が開催される2005年という年に、博覧会というイヴェントや博物館という施設と、社会との関わりについて考えてみる良い機会になればと思い、こうした企画を立ち上げた次第です。

本展覧会の開催にあたって、多大なご協力を賜った関係の各位、機関に厚く御礼申し上げます。

東京大学総合研究博物館館長 高橋進


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