第2部 展示解説 動物界
カライワシ目 Elopiformes [ 2科 2属約 8種] 体は細長くて、マイワシ Sardinops melanosticus などのニシン科魚類 Clupeidae( ニシン目 Clupeiformes
ニシン亜目 Clupeoidei) に類似する。腹鰭は腹位。鰓孔は広い。尾鰭は深くニ叉する。鱗は円鱗で、銀色に輝いている。最古の化石は白亜紀前期の地層から発見されている。
ソトイワシ目 Albullformes [ 2亜目3 科 8属 29種 ] 側線感覚管は大きく、下顎のものは溝のなかを走る。最古の化石 は白亜紀前期の地層から発見されている。 レプ卜ケパルス ( カライワシ目を参照 ) 期を経て成長する。 ソトイワシ亜目 AlbiHoldei [ 1科 2属 4種 ] 体形はニシン Clupea pallasii ( ニシン目ニシン亜目ニシン科 ) に類似し、口は下位。胸鰭は低位で、尾鰭はニ叉する。ソトイワシ 科 Albulidae のみからなり、世界中の熱帯の浅海に生息。 ソコギス亜目 Notacanthoidei [ 2科 6属 25種 ] 体はウナギ形で長〈、後方に向かって細くなる。尾鰭はないかあっても小さい。胸鰭はやや高位。尾部は失われると容易に再生する。発光器をもつ種もいる。レプトケパルスは非常に大きく、変態前には 2mにもなる。 ウナギ目 Anguilliformes [ 3亜目 15科約 141属約 738種 ] 体は細長く、いわゆるウナギ形。腹鰭や腰帯はない。前上顎骨・篩骨・前鋤骨は癒合し、歯を備える。鰓孔は小さい。背鰭と臀鰭の基底は長い。最古の化石は白亜紀後期のものである。ほとんどの種は海産。 レプトケパルス ( カライワシ目を参照)期を経て成長する。レプトケパ ルスは特徴が少ないので、分類が難しく、 ( 親の) 名前の分からないものが多数採集されている。
ウナギ亜目 Anguilloidei [ 3科 5属約 29種 ] 左右の前頭骨は離れている(縫合)。ウナギ科 Angulllidae 魚類の生活は大変特異で、成魚は淡水域や河口域に生息するが、産卵は降海して行う ( 降下回遊 ) 。レプトケパルスは変態して透明で円筒状のシラスウナギとなって沿岸に戻り、淡水域に入る。ウナギ科魚類は東部 太平洋・南部大西洋を除く温帯・熱帯海域に 15種ほど分布する。
ウツボ亜目 Muraenoidei [ 3科約 24属約 218 種 ] 左右の前頭骨は離れている ( 縫合 ) 。鰓や側線の退化が著しい。 ウツボ科 Muraenidae の成魚は胸鰭を欠くが、レプトケパルスには小さい胸鰭がある。ウツボ科魚類 ( 約 200 種 ) は多様化しており、熱帯から温帯の海域に生息するが、いくつかの種は淡水域にも分布する。
アナゴ亜目 Gongroidei [ 9科 112属約 491種 ]( 図 10 、 11) 左右の前頭骨は癒合する。種数が多い科は、ウミヘビ科 Ophichthidae( 約 250種、温帯から熱帯の沿岸海域、まれに中層、いくつかの種は淡水域に生息) とアナゴ科 Congridae( 約 150種、世界中の温帯から熱帯海域に分布 ) である。
フウセンウナギ目 Saccophryngiformes [ 2亜目 4科 4属約 26種 ] 顎やそれを支える骨が非常に長く、奇妙な形をしている。腹鰭や腰帯はない。鰓蓋骨、鰓条骨、鱗などもない。この仲間と考えられる最古の化石は白亜紀後期の地層から発見されている。すべて海産。
セムシウナギ亜目 Cyematoldei [ 1科 2属 2種 ] フウセンウナギ目魚類にしては体が短いが、両方の顎は非常に細長い。はっきりした背鰭と臀鰭がある。全長 15cm ぐらいまで。漸進海層を遊泳する。日本近海からはヤバネウナギ Cyema atrum( セムシウナギ科 Cyematidae) が報告されている。
フウセンウナギ亜目 Saccopharyngoidei [ 3科 3属約 24種 ]( 図 12) この仲間は、解剖学的にみて非常に特異なので、硬骨魚かどうか疑う研究者もかつていたほどである。
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