第2部 展示解説 動物界

軟体動物の分類と系統関係

二枚貝綱(Class Bivalvia)

 

Autolamellibranchiata:

 原鰓型以外のタイプの鰓をもつグループ、すなわち、原鰓亜綱以外の全ての二枚貝類が含まれる。このグループは 14の形質によって支持されている (Giribet and Wheeler,2002) 。 (1) 殻頂が前側に偏っている (prosogyrous)( ただし、いくつかのグループでは中央付近。 (orthogyrous)に位置している) 。 (2)外套腔の側方は鰓で、後方は足で占められる。 (3) 反転した鰓をもつ。 (4)原鰓に見られるような吻唇がない。 (5)食道に隆起がない ( ただしツキガイ科には 2次的に生じている) 。 (6)消化腺 (中腸腺) に繊毛をもつ。 (7)胃には晶体 (crystallin style) をもつ。 (8)胃の中にある隆起(major typhlosole) が長い。 (9)足に足裏がない。 (10)足の後側に足腺 (pedal gland) がある。 (11)足糸をもつ。 (12) ヘモシアニン様の分子をもつ。 (13)内臓神経が足神経よりも大きい。 (14)内臓の神経は神経索のように太いタイプではない。

 このグループはもともと Autolamellibranchiata として提唱されたにもかかわらず、一部の研究者 (例えば、Salvini-Plawen and Steiner, 1996) は 省略してAutobranchia という名称を用いており、 Cope (2000) はこれを批判している。 Girlbet and Wheeler (2002) もこの名称を省略せずに使っている。

 

前頁へ表紙に戻る次頁へ


Copyright 2004 The University Museum, The University of Tokyo