馬を保定しているところの模型
破傷風、ジフテリア、ハブ蛇毒咬症等の治療用抗毒素血清の製造のため、馬が多く飼育されていた。馬の注射や採血を安全に行うため、馬を金属性の支柱の枠の中に誘導して動かぬように固定していた。
痘疱掻取の模型
伝染病研究所では伝染病の研究を行うと同時に、各種の抗血清や痘苗を作成し社会に供給していた。天然痘の予防法としては、牛痘苗を未感染者へ植える種痘が最近まで行われていた。古くは牛痘を接種した子供の腕から次の子供に植え継ぐ人伝牛痘痘苗が使われていたが色々問題があるやり方であり、明治中期から牛に接種して痘苗を得るようになった。牛の病変部から粗菌をとり精製して使った。
馬の全採血を行っているところの模型
破傷風、ジフテリア、ハブ蛇毒咬症等の治療のため、抗毒素血清の製造が行われていた。充分に力価が上昇した免疫馬の血清を得るため、馬を倒馬器に固定しているところ。勁動脈を露出し、ここに管を挿入して全ての血液を採血していた。昭和初期のころこうした装置が導入されていたようである。