陶磁器
(中国・朝鮮・日本)
39 青磁刻花蓮花文瓶
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朝鮮
高麗時代(11〜12世紀)
高さ29.0cm
資料館建築史部門(K0135)
高麗青磁は、すでに高度な陶磁器焼成技術を保有していた朝鮮陶磁が、9〜10世紀ごろ中国越州窯青磁を受容して始まったと考えられている。その後、北中国諸窯の影響を受けつつ急速に展開を遂げ、12〜13世紀に全盛期を迎えたと考えられる。北宋末年に高麗へ使いした徐兢が著した『高麗図経』に「翡色」青磁のあることが記されていることは余りに有名である。
中でも、その美しく密やかな釉色を最大限に利用した精妙な刻文のある青磁は、最盛期の作として評価が高い。
この梅瓶は肩が張り、銅裾が細くすぼまった緊張感のある姿の美しい瓶であり、類例を多く見ることができる。胴に片切り彫りで束蓮文を表わしているが、ごく浅く斜めに刀を入れ、釉が濃く溜って明瞭な色の対比が出ることを避けている。この繊細さが盛期高麗青磁の特質といえよう。口部が欠損しているのが惜しまれる。
(矢島律子)
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