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壁画

(ホータン・キジル)


ホータン地域出土品

ホータン、Khotan (漢字では和)は、現在の中国新疆ウイグル自治区和田県。南に崑崙山脈、北にタクラマカン砂漠を臨み、白玉河、黒玉河に潅漑された肥沃で農耕・牧畜の盛んな西域南道最大のオアシス都市で、中国では古くから良質の玉の産地として知られていた。またその地理的位置から北西インドの仏教文化の影響をいち早く受け、古代国家として栄えた。7世紀半ばに唐の勢力が及び、玄奘もインドよりの帰途に訪れ、仏教の盛んなことを記している。その後チベット(吐蕃)人やウイグル人の勢力が伸び、10世紀以後はトルコ系イスラム圏に入り、仏教文化は廃絶した。古代ホータン国の首都はヨトカンにあったが、現在は廃址となり、主要な仏教遺跡はその周辺部のラワク、ダンダンウィリク、カダリク、ヴァラワステなどにある。流砂に埋もれていたこれらの遺跡を3次にわたって精力的に発掘調査したのは、英国のスタイン(1862〜1943年)で、採集した遺品は現在大英博物館とニューデリー国立美術館とに分蔵されている。なお、前述のようにドイツのル・コックもホータンを訪れているが、短期間で、詳細な記録もない。


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