記録媒体としての新聞

写真記事に見る世相

150.日刊紙『大阪毎日新聞』第二号外

大喪儀葬列の様子を伝える報道写真が中心。

151.日刊紙『国民新聞』

明治二三年二月徳富蘇峰により創刊された。一段目の「東京たより」は門外漢の署名、山本（権兵衛）内閣成立の異例ぶりを紹介する。前内閣は桂（太郎）内閣であるが、このときの憲法擁護運動では『萬朝報』が中心になって桂内閣打倒の論陣をはり、『東京朝日新聞』、『時事新報』もこれに加わった。これに対し『国民新聞』は桂内閣を擁護し、襲撃をうけた。二段目以下は段抜きで神田大火の焼跡の大きな写真が掲げられている。

152.日刊紙『台湾日日新報』一六日夕刊

明治三一年五月台湾総督府の主導で『台湾新聞』と『台湾日報』の二紙が合併し誕生した新聞であり、台湾総督府の立場を代弁する日本語新聞。第一次世界大戦を報じる。ドイツ側戦報が中心で、飛行隊についての書かれている。

153.日刊紙『大阪朝日新聞』

第一次世界大戦戦況とイタリアの参戦を伝える。戦場となるイタリア＝オーストリア国境付近の地図を記す。若き英国海相チャーチルについて詳述されている。

154.日刊紙『東京朝日新聞』

明治二一年七月、『大阪朝日新聞』の村山竜平が自由党系機関紙『めざまし新聞』を買収して創った新聞。本紙には大正天皇の即位礼を見た米人女性記者の感想が掲げられている。写真には「内宮御親謁」とある。連載は横田英夫の『日本農村』。

155.日刊紙『京城日報』

韓国統監伊藤博文によって創刊された。朝鮮鉄道と満州鉄道の統一が大きく報じられている。上部の写真は釜山桟橋、船と汽車の連絡地点。下部には在釜山の日本の商店の広告がある。

156.日刊紙『釜山日報』夕刊

第一次世界大戦中である。米国対独通告の見出しが躍り、米国国務長官を務めるランシングの動向を伝える。この翌月ドイツの降伏によって第一次世界大戦は終結する。

157.日刊紙『大阪時事新報』

佐藤紅緑の小説『微笑』が連載されている。日本商工会議所会頭、東京株式取引所理事長などを歴任し、渋沢栄一没後の財界の大御所とされてきた郷誠之助のコレクションの大入札が報じられる。

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