政治媒体としての新聞

イデオロギーの表明

 

51. 週刊紙『リテラトゥールナヤ・ガゼータ+コムソモーリスカヤ・プラウダ(文学新聞+コムソモールの真実)』

オリホヴィ+トロイツキイ共同編集
号外、マヤコフスキー追悼号、一九三〇年四月一七日発行
モスクワ、アガニョーク出版社
個人蔵

Literaturnaya Gazeta(Literary Gazette) + Komsomolskaya Pravda(Truth of Komsomol) V.Olikhovyi + A.Troitskii(Editors) Special Number for the death of Mayakovskii, 17 April 1930 Moscow, Izdatelstvo "Ogonyok" Private Collection 4pp., 675 x 502

マヤコフスキイ葬儀の日の『文学新聞』と『コムソモーリスカヤ・プラウダ(コムソモール新聞)』の合併号外。第一面にはアレクサンドル・ロドチェンコ撮影のマヤコフスキイの遺影が掲げられている。アレクサンドル・ベズィメンスキイ、ボリス・クシュネール、ミハイル・コリツォフ、ベラ・クーン、ニコラ・アセーエフ、セルゲイ・トレチャコフ、A.セリヴァノフスキイらが寄稿している。文学活動、階級闘争、ロスタの窓、演劇、サーカス、友人の回想 第四面には「自殺」に至る前の五日間のマヤコフスキイの行動記録が掲載されている。

52.隔週刊イラスト入り大衆報『ノーヴィ・チャス(新時代)』 

レフ・チュバチイ編集
一九三一年八七号、通巻九九三号、一九三一年九月七日発行
ワルシャワ、プロミスル・グラフィチュヌイ
個人蔵

Novii Chas(New Era) Lev Chubachii(Editor) No.87 of year 1931, No.993, 7 September 1931 Warsaw, Promisl Grafichnii Private Collection 8pp., 417 x 292

ポーランドのクラコフで開催された第二三回エスペラント国際大会にウクライナのエスペランティストが参加したことが報じられている。

 

53.一週五日間刊紙『モスクワ・ニュース』

ヴィクトル・ヴァスソフ編集長
第二年七一号、革命一四周年記念号、一九三一年一一月六日発行 モスクワ、新聞雑誌協会発行 フレッド・エリス表紙原画
個人蔵
Moscow News : The Five-day weekly Victor Vacsov(Editor in Chief) No.71 of year 1931, No.2, Special Anniversary Issue, 6 November 1931 Moscow, The Newspaper & Magazine Association Cover drawing by Fred Ellis Private Collection 12pp., 450 x 317

一九三〇年にモスクワで創刊されたタブロイド版労働者新聞。ソ連邦在住の英語話者向けに英字で発行されている。一ヶ月ほど前には発行元の協会から『ソ連邦における発明』(Inventions in USSR)が発行されるなど、多言語国家のソ連邦ではこの時期英字によるプロパガンダも盛んに行われていた。内容は政治・経済から、産業・技術、映画・スポーツまで、生活に関わるすべてのことを取り上げている。「一週五日間」とは、日本での「月月火水木金金」に近いもので、休息日を返上して生産性を上げようとする掛け声である。この新聞は日本国内にも届けられており、米人画家フレッド・エリスによる表紙が柳瀬正夢をはじめとする労農プロレタリア運動のグラフィスムに強い影響を与えた。

 

54. 日刊紙『プラウダ(真実)』

編集者未詳
一九三七年一二二号、通巻七〇八八号、一九三七年五月五日発行
モスクワ、レーニン創設プラウダ印刷所
個人蔵
Pravda(Truth) Unknown Editor No.122 of year 1937, No.7088, 5 May 1937 Moscow, Izdatelstvo "Pravda" Imeni Lenina Private Collection 8pp., 599 x 420

ロシア社会民主労働党の機関紙。共産党の一党独裁の正統性を主張する上でもっとも力を発揮した。本紙は『プラウダ』創刊二〇周年記念号。第一面にはレーニンとスターリン、モロトフがプラウダ編集局において会議をしている様子を描いたワシーリエフの挿し絵がある。スターリンが革命の指導者レーニンの直系であることが強調されている。『プラウダ』創刊時の歴史的な経緯について、紙面の多くが割かれている。

 

 

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