政治媒体としての新聞
51. 週刊紙『リテラトゥールナヤ・ガゼータ+コムソモーリスカヤ・プラウダ(文学新聞+コムソモールの真実)』
マヤコフスキイ葬儀の日の『文学新聞』と『コムソモーリスカヤ・プラウダ(コムソモール新聞)』の合併号外。第一面にはアレクサンドル・ロドチェンコ撮影のマヤコフスキイの遺影が掲げられている。アレクサンドル・ベズィメンスキイ、ボリス・クシュネール、ミハイル・コリツォフ、ベラ・クーン、ニコラ・アセーエフ、セルゲイ・トレチャコフ、A.セリヴァノフスキイらが寄稿している。文学活動、階級闘争、ロスタの窓、演劇、サーカス、友人の回想 第四面には「自殺」に至る前の五日間のマヤコフスキイの行動記録が掲載されている。 52.隔週刊イラスト入り大衆報『ノーヴィ・チャス(新時代)』
ポーランドのクラコフで開催された第二三回エスペラント国際大会にウクライナのエスペランティストが参加したことが報じられている。
53.一週五日間刊紙『モスクワ・ニュース』
一九三〇年にモスクワで創刊されたタブロイド版労働者新聞。ソ連邦在住の英語話者向けに英字で発行されている。一ヶ月ほど前には発行元の協会から『ソ連邦における発明』(Inventions in USSR)が発行されるなど、多言語国家のソ連邦ではこの時期英字によるプロパガンダも盛んに行われていた。内容は政治・経済から、産業・技術、映画・スポーツまで、生活に関わるすべてのことを取り上げている。「一週五日間」とは、日本での「月月火水木金金」に近いもので、休息日を返上して生産性を上げようとする掛け声である。この新聞は日本国内にも届けられており、米人画家フレッド・エリスによる表紙が柳瀬正夢をはじめとする労農プロレタリア運動のグラフィスムに強い影響を与えた。
54. 日刊紙『プラウダ(真実)』
ロシア社会民主労働党の機関紙。共産党の一党独裁の正統性を主張する上でもっとも力を発揮した。本紙は『プラウダ』創刊二〇周年記念号。第一面にはレーニンとスターリン、モロトフがプラウダ編集局において会議をしている様子を描いたワシーリエフの挿し絵がある。スターリンが革命の指導者レーニンの直系であることが強調されている。『プラウダ』創刊時の歴史的な経緯について、紙面の多くが割かれている。
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