第2部 展示解説 動物界 軟体動物の分類と系統関係 二枚貝綱(Class Bivalvia)
Heteroconchia: 異歯型の交歯をもっグループとして定義されている。 Heteroconchia を特徴づける形質は、 (1) 幼生の殻にある交歯 (provinculum) が異なる歯に分化している。 (2) 体の背腹方向に伸びる筋肉 (dorsoventral muscle) が 2対またはそれ以下に減少している、の2形質ある (Gilbet and Wheeler,2002) 。 一般的な定義では、 Heteroconchia は古異歯亜網、 異歯亜綱、異靭帯亜網を含む。 Waller (1998) はその根拠として、交歯の配列の相向性 (3a/2/3b と表記される) をあげている。一方、 Heteroconchia に異靭帯亜網を含めず、古異歯亜網と異歯綱に限定する見解もある (Carter et al.,2000;Cope,2000) 。 Heteroconchia は形態形質の研究から単系統性が提唱されていたが (Waller,1998;Carter et al, 2000) 、 分子形質を用いた系統解析でも支持されている (Campbell, 2000;Steiner and Hammer,2000) 。しかし、Salvini-Plawen and Steiner (1996) の分岐分析や、 Cope (1997,2000) による殻体構造のデータからは支持 されていない。 Giribet and Wheeler (2002) の分析では単系統とは結論づけられない。
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