心臓発生模型
ヒトの心臓の発生
心臓脈管系の発生は胎生初期の非常に早い時期に始まる。
胎芽が栄養物を摂取し、老廃物を排出するための効果的な器官系として、
3週の末には血液の循環が始まる。
このため、19日目ころの胎芽において、すでに心臓形成域が認められ、
急速に発育して、28日目では心筋層の発達した筒状の原始心臓 (房室管)
が形成される。原始心臓は一つずつの心房と心室をもっているにすぎないが、
その後発育が進行するにつれて、管がくびれて心房と心室との間を仕切る。
5週目には心房の内面に小隆起 (心房中隔) が発達してくる。
同時に心室でも心室中隔が発生する。
やがてそれぞれの中隔の発育によって、8週目の胎芽では左右の心房、
心室の4室が形成される。
このようにして管状の原始心臓から2心房、
2心室に仕切られた心臓の形成までの複雑な発生の流れを、
ここでは連続した映像によって構成されている。
このような心臓の発生・発育過程の基礎的な研究は、
1930年代までにほぼ完了し、これの所見に基づいて
心臓発生過程の教育用模型が
ドイツのフライブルク大学で作製された。
以下の画像に示されている模型も同大学の指導で作製されたものである。
ヒトの心臓の発生模型
人間の心臓器の発生過程の順を追った蝋模型。11体からなる
(所蔵:東京大学医学標本室)
(神谷 敏郎)
心臓の発生模型のデジタル画像
東京大学医学標本室が所蔵する心臓発生過程の教育用模型を電子化したものが
こちらにあります。
ヒトの心臓の発生模型
心臓の発生模型のモーフィング
上記の心臓の発生模型をもとにして、心臓の複雑な発生過程を
モーフィング
の技術を利用して連続映像化しました。
大小2種類のサイズのGIF Animationにしてあるので、
御覧になって下さい。
(製作:東京大学総合研究博物館 坂村研究室)
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