『本郷キャンパスの百年』
加賀藩上屋敷「梅の御殿」遺跡全景
昭和62年撮影
「梅の御殿」は享和2年 (1802)、加賀藩第10代藩主重教夫人の寿光院のために、
第12代藩主斉広が建てた。隠居所的な性格のものではあるが、
現在の御殿下グランドとほぼ重複する広大なものであった。
武家の居宅の形式を備えており、「御錠口」を境にして「奥向き」と「表向き」
に分けられていた。本郷記念館建設のために行った調査
(昭和60年8月〜同62年6月) の発掘区域は「表向き」にあたる部分で、
建物の礎石、井戸、排水路などが、絵図面とよく一致する位置で発見された。
但し、『江戸御上尾敷惣御絵図』には描かれていないため、
また、文政8年 (1825) 出版の滝沢馬琴『兎園小説』
にはすでにないと記されているため、
このときまでには取り壊されていたと考えられる。
(遺跡調査室 撮影)
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