『本郷キャンパスの百年』
加賀藩江戸上屋敷絵図
19世紀中期、原題『江戸御上屋敷惣御絵図』
金沢市立図書館蔵 (清水文庫、特18・6-27-2)
本郷の加賀藩邸は、17世紀初頭、同藩下屋敷として発足し、
天和3年 (1683) 上屋敷となる。
1840年代前半に作成されたと推定される本図はその最終段階を示している。
敷地と中山道が直接に接しているのは西側南寄りの「大御門」と
同北寄りの「御住居表御門」 (通称、赤門) の突出部分だけで、
それ以外の部分には御先手組組屋敷と町家が介在している。
東南隅は現在、本郷消防署、文京区立第四中学校などがある。
一方、医学部附属病院が占める土地は大聖寺藩、富山藩の敷地であった。
藩邸内のほぼ中央に心字池 (通称三四郎池) を取り囲む育徳園と馬場が位置し、
その南側と西側に主要な建物があった。「大御門」の東側に展開する広大な建物は
藩主が私的公的生活を送る御殿、赤門の奥に広がる建物は藩主夫人の住宅である。
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