新規収蔵・整理標本コーナー:
総合研究博物館に新たに収蔵された学術標本と新たに整理された標本を展示します。

カワイルカ─絶滅の淵より─

7月14日(土)〜9月28日(金)
午前10時〜午後5時(入館は4時30分まで)
月曜休館、ただし9月24日(月)は開館、
9月16日(日)、23日(日)、25日(火)は休館
(和田鉱物標本展と同時開催)
入館無料

 カワイルカは海にすむイルカのうち淡水にすむようになった特殊なグループで、世界に4種類しかいません。そしてひとつ種類がひとつの川に住んでいます。その生活は謎につつまれていましたが、1970年代になって世界の研究者がカワイルカを調べ始めました。日本でも東京大学が調査隊を派遣し、ガンジス川、インダス川、南米のラプラタ川、アマゾン川に調査に行き、標本を採集しました。カワイルカはとても小さな目をもっています。中には水晶体がほとんどないものもおり、視力は悪いと考えられています。そのかわり、音波を出してその反射をソナーで感知することができます。そのために頭骨が特殊化しています。今回、貴重な標本を展示しますので、このことを観察できます。またカワイルカは同じ大きさのイルカに比べても脳がいちじるしく小さく、またその形態も原始的なものとされています。東京大学ではその後もカワイルカの研究を続けており、最近ではヨウスコウカワイルカの調査も行っています。今回はこの調査隊の成果のほか、新しく解析したCTスキャンの映像や、絶滅に瀕しているカワイルカの保護についても紹介します。

[写真:ヨウスコウカワイルカ]

絶滅に瀕しているヨウスコウカワイルカ

[写真:ラプラタカワイルカ]

ラプラタカワイルカ


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