第一部

学問のアルケオロジー


混沌の時代—開成所と物産会

彎か羅鍼毛利元寿の遺品 梅園魚譜三
伊能忠敬の遺品「彎羅鍼」

伊能忠敬(1745-1818)が方位角の測定に用いた方位盤の一つ。目盛りはクリノメーターと同じく、逆目にふられている。伊能忠敬から地図作成の協力者久保木太郎右衛門に贈られた。
【文政元(1818)年以前/久保木太郎右衛門氏旧蔵/総合研究博物館地理部門】
毛利元寿の遺品「毛利元寿『梅園魚譜三』」

(『梅園画譜』全24帖の写本の内)
江戸時代屈指の動植物図譜として知られる『梅園画譜』全24帖の精写模本。制作者の梅園毛利元寿(もとひさ)(1798-1851)は毛利大江氏三百石取りの旗本で御書院番を勤めた本草家。『梅園魚譜三』は「写真洞魚品図正」の名が賦され、85品を収戴。本邦初の魚介図説として知られる。【明治10(1877)年/理学部動物学教室図書館】

開成学校「鉱物標本351点」
開成学校「鉱物標本351点」

本コレクションは、大阪の理学所がドイツから購入したもので、
明治4年5月の大学南校主催物産会に官品として出品された「舶齎
金石類四百品」に該当する可能性がある。同年7月、大学南校は
南校に改名され、ドイツ人教師カール・シェンクがそこで初めて
「金石学」(鉱物学)を講じている。
【明治3(1870)年/総合研究博物館岩石・鉱床部門】


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