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陶磁器

(中国・朝鮮・日本)


41 青磁象嵌花文鉢


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朝鮮
高麗時代(12世紀)
高さ9.5cm、直径18.8cm
文学部考古学研究室・列品室

象嵌青磁は朝鮮独特の技法である。胎に文様を刻し、白土や赤土を刷り込んでから素焼きし、更に青磁釉をかけて焼くという、この技法の淵源については、従来から新羅陶器の印花文との関連や、高麗螺鈿や銅器の象嵌からの影響などさまざまな説が唱えられてきたが、いまだにはっきりしていない。その出現は盛期の12世紀のこととされている。

この鉢はやや高めの末広がりの高台がついた深々とした形をしており、中国のいわゆる汝官窯に通じるような高い格調を持っている。淡い天青色に近い青磁釉を通して印花で表わされた折枝牡丹文が白と黒の象嵌で描かれている。また、土銹の滲みた大きな貫入にさえぎられているが、象嵌模様の背後にはごく細い陰刻で一面に牡丹唐草文が表わされている。高台にも唐草文が白象嵌されており、かなり手のこんだ作行きといえる。高麗青磁最盛期の作といってよい。

(矢島律子)


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