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非南極隕石標本
はじめに

Grandy(薄片の偏光顕微鏡写真)
- Grandy (薄片の偏光顕微鏡写真)-

       東京大学総合研究博物館隕石コレクション
 東京大学総合研究博物館に収蔵されている隕石は、非南極産隕石で、227種457点にのぼる。
 隕石は太陽系における物質進化の過程を記録している最も重要な資料である。約46億年前に太陽が誕生し原始太陽系星雲が形成された。その星雲の中に固体粒子が析出し、凝集・分裂を繰り返すうちに、微惑星が形成される。その微惑星が衝突によって原始惑星となり、周囲の物質を集めて成長し惑星となって、分化過程を経て現在の太陽系が出来上がったと考えられる。月や火星を起源とする隕石を除くと、多くの隕石の母天体は、火星と木星の間に存在している小惑星であると考えられている。この小惑星は、いわば惑星になり損なった微惑星であり、太陽系の物質進化過程の様々な段階の記録そのものである。隕石には多くの種類があるが、その多くが45億年近傍の形成年代を示すことは、太陽が誕生して1-2億年の間の、原始太陽系星雲から原始惑星への劇的な物質進化の過程が隕石の研究によって解明される可能性を持っていると言っても過言ではない。地球形成初期の情報は地球の活発な地殻活動や大洋・大気等による浸食・堆積・変成作用により殆ど失われていることから、隕石が惑星形成初期の歴史を記録に留めた唯一の試料であるといってもよい。
 日本には南極観測隊が収集した15,000個に及ぶ隕石があるが、南極産隕石と非南極産隕石には落下年代に差があり、母天体の異なった場所に由来する可能性も高く、南極産隕石と非南極産隕石の比較研究が不可欠である。
 東京大学総合研究博物館隕石コレクションは惑星物質進化の観点に立った系統的コレクションであり、国立極地研究所に収蔵されている15,000もの南極隕石を除くと、国内では最も整備されたコレクションの一つと言える。この系統的収集は非南極産隕石としては、比較的整った収集であるが、今後も収集の努力を続け、大学博物館から、隕石学を中心として宇宙科学・天文学・環境科学・材料科学などの他分野へ新たな情報を発信していきたい。
 本データベースではコレクションの中で主だった118個の隕石を紹介する。
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鉱物 / UMDB(東京大学総合研究博物館データベース)
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