1899年以来、河南省安陽市近傍の小屯村一帯から、文字を刻した亀甲ならびに獣骨が大量に発見され、解読の結果、その刻字は殷代後期(前14〜11世紀)に殷王朝のト官によって国事が占トされ、その内容と結果を記したものであることが判明した。中国考古学研究上の最大の発見とされる。
今日もなお、新発見が続いており、これまでに十数万片が出土した。過去100年近くの間、多数の学者の研究により、約4000字のうち、主要な千数百字は解読され、大部分はその文意も明らかにされた。漢字のもっとも古い粗型を示すところから、漢字研究の根本資料として検討される。また、中国史上、実在の確認できる最古の王朝の日常の行事についての占トであるところから、殷代史解明のための無二の資料ともなる。
我国においても、その発見の初期より注目され、明治42年(1909年)に舶載されて以降、多くの専門研究者が排出した。東京大学東洋文化研究所は、約2000片の甲骨片を収める!