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第四部

知の開放


宇宙線研究所

宇宙線研究所

手のひらを広げれば毎秒いくつも通り抜ける宇宙線は、超新星の爆発によって発生したものであるという考え方が有力である。実物展示では今ここに降り注いでいる宇宙線をスパークチェンバーという装置によって実際にカウントする。
超新星爆発という有力な説はあるものの、宇宙線は何が起源かという問題は本当のところ結論は出ていない。宇宙線の起源をはじめとした宇宙線の現象は、宇宙物理学の色々な問題と深く関わっている。宇宙線を通して太陽系の歴史などを調べることが出来る。仮想展示では宇宙線研究に関連したさまざまな装置をデジタル画像で展示している。

宇宙線望遠鏡プロトタイプ

宇宙線望遠鏡プロトタイプ

宇宙では 様々な所で 我々の想像を超える 高エネルギー現象が起こっている。例えば、超新星爆発の後に残る超新星残骸や活動的な銀河の中心部に存在する巨大ブラックホール周辺では、莫大な量のエネルギーが 宇宙線やガンマ線として放出されている。宇宙線望遠鏡は、これらの高エネルギー粒子が地球大気中で発する青い閃光を 複数の望遠鏡で検出し、宇宙での高エネルギー現象を研究するための装置である。

シンチレーション検出器(長野)

シンチレーション検出器(長野)

電子など電荷を持った粒子が通過したとき、蛍光を発する特殊なプラスチック板が暗箱の中に入れてあり、この微弱な光を箱の上端に取りつけた光電子増倍管で、電流に変換する。これで宇宙線が作る空気シャワー中に含まれる電子の数を測定すると同時に、数億分の一の時間精度で、粒子の入射時間を測定する。
明野観測所にある広域空気シャワー観測装置では、この写真のようなシンチレーション検出器の大型のものが、約1キロメートル間隔で配置されている。


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