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陶磁器

(中国・朝鮮・日本)


42 粉青沙器印花文鉢


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朝鮮
李朝時代(15世紀)
高さ7.4〜8.1cm、直径19.2〜19.4cm
資料館美術史部門

日本ではこうした文様の朝鮮陶器を「三島」「暦手」などと呼び、茶道で賞翫してきた。この鉢はいくつかに割れたのを金継ぎして菓子鉢などに使ったと思われるが、よく見ると継いであるのは別の器の一部であり、いわゆる呼び継ぎであることがわかる。

近年朝鮮陶磁史研究が進展すると、こうした三島手などは、灰色または灰黒色の土を白土で粉粧し、青磁釉から転化した青みを帯びた透明釉をかけるという共通の手法で包括される粉青沙器の一部であると捉えられるようになった。「粉青沙器」の装飾法は象嵌文、印花文と発達し、掻き落としや線刻、鉄絵文などが現れ、刷毛目文や粉引きへと展開したと捉えられている。また、その始まりは後退した高麗象嵌青磁に求められるとも考えられている。

三島手は粉青沙器の中でも早い時期——15世紀——の手法によるものである。菊花文や縄簾文をスタンプ状の施文具を用いて全面に刻し、その上に白土を化粧掛けすることで象嵌と同様の効果を現したのである。その産地としては嶺南地方(慶尚道)、湖南地方(全羅道)が挙げられている。

(矢島律子)


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