ソメイヨシノのタイプ標本


ソメイヨシノ(タイプ標本)
東京の染井村(現豊島区駒込の一部)から広まった吉野ザクラとして、ソメイヨシノという和名が与えられた。ソメイヨシノは、竹中要の実験によればオオシマザクラとエドヒガンの自然交配種であるとされる。今日全国で最も広く植栽されているサクラだが、明治の初期にはまだめずらしかった。このソメイヨシノに Prunus yedoensis という学名を与えたのは植物学の第二代教授となった松村任三で植物学雑誌一五巻(一九〇一年)に発表された。yedoensis は江戸産のという意味である。この標本は松村の Prunus yedoensis Matsum のタイプ標本である。