東京大学総合研究博物館の特別展示がデザイン賞を受賞

−公開展示を介した産学連携事業ミュージアム・テクノロジー寄附研究部門の成果−

このたび、総合研究博物館で開催いたしました特別展示「石の記憶—ヒロシマ・ナガサキ」がディスプレイデザイン賞2004のディスプレイデザイン大賞を受賞いたしました。同時に「シーボルトの21世紀」がディスプレイデザイン優秀賞を、さらに「石の記憶」展に関する研究成果として提出した「学術とデザインの融合による展示効果についての研究」がディスプレイデザイン企画・研究特別賞と、後日選考のありましたディスプレイ産業賞のディスプレイ産業特別賞に選ばれました。

賞の概要

「ディスプレイデザイン賞」

ディスプレイデザイン賞は、社団法人ディスプレイデザイン協会主催、朝日新聞社の後援により毎年開催されているもので、最近の空間環境系デザインの優秀な作品を評価、公表し、ディスプレイ分野における新しいクリエーターの発掘と、デザイン活動の向上、領域拡大を目指すため、様々な分野のディスプレイ作品を選奨し、優れたコンセプトで、個性的な創造性に富んだ作品に対し表彰を行う総合コンテストで、今年で38回目を迎えます。本年度は586作品の応募があり、協会内・外部の審査員による厳正な審査の結果、大賞1作品、優秀賞9作品、奨励賞10作品、企画・研究特別賞4作品(学生賞含む)、協会特別賞1作品が選出されました。つまり賞合計25作品のうち3作品を総合研究博物館の特別展示が受賞したことになります。

ディスプレイデザイン賞2004

大賞/朝日新聞社賞 石の記憶—ヒロシマ・ナガサキ
優秀賞 シーボルトの21世紀
企画・研究特別賞 学術とデザインの融合による展示効果についての研究 —大学博物館の実験展示“石の記憶—ヒロシマ・ナガサキ”をモチーフとした展示の実践

「ディスプレイ産業賞」

ディスプレイ産業賞は、社団法人日本ディスプレイ業団体連合会主催、経済産業省ならびに日本経済新聞社の後援により開催されているもので、ディスプレイの創造力、技術力の向上と併せてディスプレイ産業振興のため、ディスプレイの優秀作品を賞揚し、その成果を公表して、ディスプレイの社会的認識を高め、かつ、生活、文化水準の向上に資することを目的とし、ディスプレイデザインが優秀であることに加えて、ディスプレイ産業振興(博覧会、展示会、博物館、店舗、催事等の効率と昨日を高める企画・設計・演出・展示構成・製作施工管理等の技術力、業務水準の向上)に寄与すると認められる作品を表彰対象としています。本賞はディスプレイデザイン賞入賞候補作品の中からディスプレイ産業振興の見地から審査委員の合議により各賞が選ばれます。本年度も厳正な審査の結果、ディスプレイ産業大賞・経済産業大臣賞1点、ディスプレイ産業優秀賞3点、ディスプレイ産業特別賞・日本経済新聞社賞1点、ディスプレイ産業奨励賞・日本ディスプレイ業団体連合会賞10点が選ばれました。

ディスプレイ産業賞2004

ディスプレイ産業特別賞/日本経済新聞社賞 学術とデザインの融合による展示効果についての研究—大学博物館の実験展示“石の記憶—ヒロシマ・ナガサキ”をモチーフとした展示の実践

展示の概要

「石の記憶—ヒロシマ・ナガサキ 被爆試料に注がれた科学者の目」

会期:2004年1月24日−4月12日

原爆投下直後の広島・長崎を調査した地質学者・渡辺武男の収集した被爆試料の展示。被爆試料に注がれた目を現代のフィールドワークを通して明らかにし、石に内包された記憶を展示表現。(展示企画:田賀井篤平、展示デザイン:洪恒夫)

[Jpeg Image] [Jpeg Image] [Jpeg Image] [Jpeg Image]

撮影:奥村浩司

「シーボルトの21世紀」

会期:2003年10月4日−12月7日

総合研究博物館のコレクションにオランダ・ライデン大学所蔵の学術標本を併せた国際共同展示。本邦初公開の稀少標本の展示を中心に、時間軸でシーボルトの活動を追い、シーボルトの日本研究の本質を明らかにし、21世紀におけるシーボルト研究へのアプローチを提示する展示。(展示企画:大場秀章、展示デザイン:洪恒夫)

[Jpeg Image] [Jpeg Image] [Jpeg Image] [Jpeg Image]

撮影:奥村浩司

展示企画の背景

総合研究博物館で行う企画展は実験展示と称し、当館の展示空間を使い様々な試みを行ってきました。その中で2002年10月、株式会社丹青社の寄附を受けてミュージアム・テクノロジー寄附研究部門が発足し、同社からは、展示デザイナーである洪恒夫客員助教授を迎え、他部門の教官とのコラボレーションが始まりました。研究成果を展示でどのように伝えるか、それを展示空間のなかでどう表現するか、産学連携によるあらたな試みが始まり、そしてこのたびの結果となりました。





 
過去の展示へ戻る