記録媒体としての新聞

写真記事に見る世相

197.日刊紙『大阪朝日新聞』号外

二・二六事件の首謀者青年将校に思想的影響力があったとされる北一輝らに判決くだる、という速報。

198.日刊紙『都新聞』号外

明治一七年九月に仮名垣魯文を主筆として創刊された夕刊紙『今日新聞』を母胎とし、『みやこ新聞』を経て『都新聞』となる。昭和一七年一〇月の新聞統合で『国民新聞』と合併し、『東京新聞』となる。一二月一五日日本無産党などの幹部らが一斉検挙される（第一次人民戦線事件）。加藤勘十、山川均、荒畑寒村、鈴木茂三郎らの名前が挙がっている。二二日に結社解散命令が出され、午前一一時に記事掲載禁止が解除された。

199.日刊紙『東京朝日新聞』号外

「第一次人民戦線事件」の号外。検挙者の経歴、顔写真入り。

200.日刊紙『読売新聞』第一夕刊

「第一次人民戦線事件」を報じる。

201.日刊紙『報知新聞』第一夕刊

明治四年六月『郵便報知新聞』として創刊された。大正年間には最大部数を誇ったが、この頃には講談社の野間清治に経営権が移っている。「第一次人民戦線事件」を報じる

202.日刊紙『東京日日新聞』時事新報合同号外

帰還兵士の写真。どこから帰還したのであろうか。写真について「当局許可済み」の断り書きがある。

203.日刊紙『満州日日新聞』夕刊

明治四〇年一〇月星野錫により大連で創刊された。満鉄の機関紙的といって良い。昭和二年一一月『遼東新報』を合併し、『満州日報』なるが、昭和一〇年八月再び『満州日日新聞』に復題した。「ノモンハン事件」は昭和一三年五月に始まり、九月に終わる日本軍対ソ・外蒙軍との国境線を巡る戦い。省境の山頂に日章旗が翻るとある。関東軍の発表は、関東軍が越境のソ連機を撃墜したと報じている。

204.日刊紙『大阪毎日新聞』

決死の勇士と題された写真は、特派員の撮影になる。

205.日刊紙『毎日新報』五日夕刊

ハングル表記の新聞である。独伊同盟を報じる。五月二二日独伊軍事同盟締結。この年の初めからナチス・ドイツは近衛内閣に日独伊軍事同盟要求。九月二七日にベルリンで日独伊三国同盟が調印される。平沼首相が物価統制令を承認したとの報も眼を惹く。

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